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サラリーマンが金貨の現物をドルコスト平均法で買う方法

2018-05-26

サラリーマンが金貨の現物をドルコスト平均法で買おうとすると、1点困ったことが起こるので、それを擬似的に回避する方法を述べます。

金貨を買うことの魅力

有事に強い資産として、金(gold)があります。

数十年続くであろう人生の中では、日本で起きる金融危機に最低1回は遭遇する可能性が非常に高い(リアル人生ゲーム完全攻略本を参照)ので、そのような場合に備えて金をある程度買っておきたいところです。うまく備えておけば、危機を利用して相対的に資産を増やすことだって可能かもしれません。ずっしりと思い金の延べ棒を買うには数百万円必要(2018年5月26日現在で1gあたり約5,000円)ですが、金貨であれば比較的手が出しやすい(1/10オンスで2万円弱)ので、まとまったお金がないサラリーマンにとっては、金貨を少しずつ買い貯めていくのは一つの方法だと思います。

現在では金をオンラインで購入し、ネット上で積み立てるということも可能です。この場合はそのサービスを提供する会社で金を保管することになります。しかし、本当の有事(首都圏で戦争になったり、日本の国家が破綻したときなど)の際に、その金を手元に戻すことが可能でしょうか?その会社が消滅しているかもしれないし、日本国政府の強権が発動して金などの引き出しに制限がかかるかもしれません。いざという時には即座に他の地域(海外含む)に逃げることも必要かもしれませんが、そんなときは引き出しに時間をかけてはいられません。そのため、有事の際の資産としては手元に置いておくことが重要です。

また、金というものは美しく、理由は分かりませんが、太古の昔から人を引きつける力があるように思います。たまに手元の金を眺めるのも良いかもしれません(←なんという成金野郎だ(笑))。いずれにせよ、海外で1〜2ヶ月程度生活できるくらいの金は手元に置いておけると安心です(←それ以上の量は盗難に遭ったときのリスクが無視できないため、外部の貸金庫などに入れることを検討)

ドルコスト平均法とは

投資に興味がある人なら知っているかと思いますが、長期間の資産形成の王道の方法としてドルコスト平均法というものがあります。これは、対象資産の価格変動にかかわらず、「一定の金額で買い続ける」ことです。例えば「毎月末に3万円ずつ米ドルを買う」と決めた場合は、たまたま月末に1USD = 100円であれば300USD、1USD = 75円であれば400USD、1USD=150円であれば200USD買うということになります。

この場合、ドル高のときは購入できるドルが減りますが、ドル安のときは大量にドルを購入できるため、購入時の為替レートの変動を均すことができ、なおかつ安いときに大量に購入可能なので、資産形成にはうってつけです。買い始めたときの価格より売るときの価格が下がっていても、さらに価格が低いときに大量に買っていれば、結果的に利益が出るということも起こります。

なお、過去の私も含めて間違っている人がいるのですが「一定の量を買い続ける」のではないことに注意です。これは例えば「毎月末に300USDずつ買い続ける」ということなのですが、これだと安いときにあまり買うことができず、高いときに高値づかみすることになり、総資産の価値は単純に毎月末の為替レートの平均になってしまいます。1度に大量に買うよりはマシですが…。

金貨の現物をドルコスト平均法で買うときの問題

さて、金貨の現物を「毎月5万円ずつ買う」(金貨をドルコスト平均法で購入する)ことを考えます。田中貴金属などのお店に5万円を持っていくと、例えば1/4オンスのメイプルリーフ金貨が店頭で44,417円(以下、価格は本記事の執筆時点で田中貴金属工業のWebサイトに記載されている情報を使います)で売っています。まずはこの金貨を買うとして、あれ、残り5,583円(予算5万円の中の12%程度)が浮くぞ…?

そう、金貨の現物は分割が簡単にはできず、細かいグラム単位で売っているわけではないので、ちょうど5万円分買うということはできないのです。このため「毎月定額で買う」ということができないというのが問題です。そのため単純に考えるとドルコスト平均法での購入ができないことになります!

解決方法

嘆いていても仕方がないので、擬似的にでもよいので解決方法を考えてみました。現実的には次の方法のいずれかまたは組み合わせを使うことになります。

投資額を大きくする

例えば「毎月10万円ずつ買う」ことにすると、1/2オンスと1/10オンスのメイプルリーフ金貨という組み合わせで買うことができ、この場合は合計は104,044円となります。ちょうど10万円ではないですが、誤差は4%程度に抑えられます。購入額をさらに大きくすると、実施可能な組み合わせのパターンはさらに増えて、誤差をより小さくすることができます。

余ったお金をプールする

「毎月5万円ずつ買う」ルールにしている場合、まずはメイプルリーフ金貨1/4オンスを買うと5,583円余るので、手元にとっておきます。これを4ヶ月行うと、余ったお金が2万円程度になり、1/10オンスの金貨を1枚買うことができます。そのため4ヶ月目に1/4オンスと1/10オンスの金貨を買えば、4ヶ月全体で見た誤差は減ります。

それだったら「毎月5万円ではなく4ヶ月ごとに20万円にすればよかったのではないか?」と思われるかもしれません。しかし購入する回数を増やし、なおかつ購入タイミングをバラして少額ずつ買うのがドルコスト平均法の要なので、1度にまとめて多額の金を買うとドルコスト平均法の意味が無くなってしまいます。

金以外の貴金属も買う

現時点では、意外にも(?)金よりもプラチナの方が、そして当然ですがプラチナよりも銀の方がが安いです。余ったお金の扱いに困った場合は、プラチナや銀にも目を向けると、ちょうど良い価格(およびその組み合わせ)が見つかるかもしれません。

オンラインで積み立てて定期的に定額分の現物を引き出す

実は田中貴金属ではオンラインでの積立も行っており、こちらでは毎月1000円など定額での積み立てが可能なようです。しかしながら金自体は田中貴金属の金庫にあるため、手元の金貨の現物を買い貯めるという趣旨に反してしまいます。

ただ、この積立では積み立てた金を地金として引き出すことも可能です。そのため、オンラインで積立を行い、定期的に一定の金額相当分(←一定の重量分ではない)を引き出すことでも、間接的にドルコスト平均法による投資を行っていることになります。

結局どうするべきか

ここまでさんざん数万円の定額購入について記載しましたが、金は株式などの金融商品と異なり、まとまった量の方が割安(1/10オンスの金貨10枚よりも1オンスの金貨1枚の方が安い)という性質もあるため、最適な購入間隔や金額を決めるのは思った以上に難しいように思います。

まずは1年ほど、2ヶ月程度ごとに数万円ずつ購入して、1ヶ月ほど暮らせるだけの金の現物を確保し、あとは頻度を四半期ごとに下げる代わりに1回あたりの購入金額を上げて、割安に買い貯めていくのが良いのかもしれません。

-マネー

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