クレジットカードの宣伝でよく「ポイント○倍」や「ポイント○%還元」といった言葉を聞きますが、実は1ポイント = 1円とは限りません。最終的に円に換算したときの「実質的な還元率」を、いくつかのクレジットカードについて比較してみました。
「実質的な還元率」の出し方
クレジットカードでは、いわゆるポイント還元率(例えば「100円使って1ポイント」なら1/100 = 1%)が目に付きますが、そもそものポイントの価値(例えば2ポイントで1円分の割引や商品券と交換できるのなら、1/2 = 50%)も重要です。この記事では、「実質的な還元率」を次のように定義することにします。
実質的な還元率 = ポイント還元率 × ポイントの価値
例えば上記の例では 1/100 × 1/2 = 0.5/100 = 0.5%となります。
しかし、クレジットカードによってポイントの使い道が異なり、引き落としされる額をポイントで減額できるケースもあれば、商品への交換にしか使えないケースもあります。また商品の種類によって消費するポイントが変わったりするケースもあり、思った以上に複雑です。
そこでなるべく公平かつ利用用途が広い形で比較するため、次の条件で比較することにします。
- クレジットカードの支払い額を減額する形でポイントを使用する(要するにキャッシュバック)。ただし支払い額の減額のためにポイントを使用できないカードの場合は、それに近い形でポイントを使用したものとして計算する
- 普段の買い物で貯まるポイントを計算に使う(特定のお店やサイトでの買い物のみ倍率が上がるケースは除外)
- 入会直後のポイント還元率を計算に使う(決済額や会員ランクによってポイント還元率が上がるケースは除外)
- 入会時・カード継続時・知人紹介時などにボーナスポイントが入る場合があるが、これらはすべて除外
今回比較するクレジットカード
独断と偏見で4つのカードをピックアップしました。
- 楽天カード
- 三井住友VISAカード
- エポスカード
- アメリカン・エクスプレス・カード
楽天カード
楽天カードマンのCMでお馴染みのカード。お買いものパンダも人気のようですね。
楽天経済圏以外で使用した場合、ポイント還元率は1%。またポイントをカードの支払に充当すると1ポイント = 1円分として利用可能。よって実質的な還元率は 1%×1/1 = 1%
三井住友VISAカード
日本で昔からあるクレジットカードの代表格。
1000円使うごとに1ポイント貯まるのでポイント還元率は1 / 1000 = 0.1%。またポイントをカードの支払に充当すると1ポイント = 3円分として利用可能。よって実質的な還元率は0.1%×3/1 = 0.3%
エポスカード
マルイだけでなく他にも使える流通系のカードとして人気が高い。
200円の利用ごとに1ポイント貯まるのでポイント還元率は1 / 200 = 0.5%。ポイントをカードの支払に充当することができるかが明記されていませんでした(意外にも不可?)が、商品券に交換する場合は基本的に1ポイント = 1円分になるようです。よって、実質的な還元率は 0.5%×1/1 = 0.5%
アメリカン・エクスプレス・カード
このサイトでさんざん取り上げているアメックス。今回はプロパーカード(グリーン)でメンバーシップ・リワード・プラスを利用しないケースで考えてみます。
100円の利用ごとに1ポイント貯まるのでポイント還元率は1 / 100 = 1%。ポイントを支払いに充当する場合、メンバーシップ・リワード・プラス未登録の場合は1ポイント = 0.3円として充当可能。よって、実質的な還元率は1% × 0.3/1 = 0.3%
比較結果
上記の結果をまとめると次のようになります。
クレジットカード | 実質的な還元率 |
楽天カード | 1% |
三井住友VISAカード | 0.3% |
エポスカード | 0.5% |
アメリカン・エクスプレス・カード | 0.3% |
こうして見ると、楽天カードの還元率の高さが際立ちます。ただ、支払いへの充当ではなく別の目的、例えばマイルへの交換で考えると結論が変わりそうなので、また条件を変えて比較してみようとも思います。