ヒルトン系列のホテルを利用するときに優待を得られる方法として、ヒルトン・オナーズの会員になる、アメックスのファイン・ホテル・アンド・リゾート特典を利用する等の方法があります。
年会費等を考えると、どの方法をとるのが良いかを利用頻度ごとに考えてみます。
今回比較するもの
ホテルでの宿泊を考えて、次の方法を比較・検討してみます。
- ヒルトン・アメックスを持ってヒルトン・オナーズのゴールド会員
- ヒルトン・アメックス プレミアムを持ってヒルトン・オナーズのゴールド会員
- アメックス・プラチナを持ってファイン・ホテル・アンド・リゾート(FHR)特典を利用 + ヒルトン・オナーズのゴールド会員
- Hilton Impresarioプログラムを使って宿泊
特典の比較
宿泊時の特典
それぞれの方法で宿泊した場合に得られるメリットを考えます。
特典 | ヒルトン・アメックス (ヒルトン ゴールド会員) | ヒルトン・アメックス プレミアム (ヒルトン ダイヤモンド会員) | アメックス・プラチナ(FHR) | Impresario |
---|---|---|---|---|
予約状況次第で客室アップグレード | ○(エグゼクティブルームまで) | ◎(スイートになる可能性もあり) | ○(一部カテゴリーは対象外) | ○(一部カテゴリーは対象外) |
2名分朝食無料 | ○ | ○ | ◎(ヒルトンゴールドより良いメニューのことがある) | ◎(ヒルトンゴールドより良いメニューのことがある) |
予約状況次第でアーリーチェックイン | × | × | ○ | ○ |
予約状況次第でレイトチェックアウト | △(1〜2時間程度) | △? | ◎(16時まで確約) | ○(ヒルトンゴールドより長め) |
ホテル内クレジット | × | × | ○(100 USD相当) | ○(100 USD相当) |
ヒルトンのボーナスポイント | ○(+80%) | ◎(+100%) | ○(アメックス・プラチナを持っていればゴールド会員のはずなので+80%) | ◎(ホテル次第で+100%) |
エグゼクティブラウンジの利用 | △(アップグレード結果次第) | ◎(部屋に関係なく確実に利用可能) | △(アップグレード結果次第) | △(アップグレード結果次第) |
無料宿泊特典 | ○(ウィークエンド無料宿泊特典:コンラッド等の高級ブランドも対象・週末のみ) | ○(ウィークエンド無料宿泊特典:コンラッド等の高級ブランドも対象・週末のみ) | ○(フリーステイギフト:コンラッドは対象外・平日も利用可) | × |
上記の特典の対象 | ヒルトン系列の全ホテル | ヒルトン系列の全ホテル | 主にコンラッド等の高級ブランド | 主にコンラッド等の高級ブランド |
利用可能な特典だけ見ると、概ね FHR > Impresario > ヒルトンダイヤ > ヒルトンゴールドに見えます。ただ、スイートルームへのアップグレード可能性やエグゼクティブラウンジの利用可否も考えると、滞在時間が短ければヒルトンダイヤの方が良いケースも出てきます。
無料宿泊特典は2種類あります。ヒルトン・アメックスやヒルトン・アメックス プレミアム保有によるものは、コンラッドを含むほぼすべてのホテルに利用可能ですが、週末の利用にしか使えません。一方、FHRはアメックス・プラチナのフリーステイギフト1が使えます。コンラッド東京 / 大阪は対象外ですが、メジャーなヒルトンホテルは対象となっており、なおかつ除外日を除いて曜日に関係なく使えます。
HPCJの特典
アメックス・プラチナは関係ないのですが、ヒルトン・アメックスやヒルトン・アメックス プレミアムを保有しているとHPCJというものにも年会費割引(10,000円)で入会できます。
HPCJ | |
---|---|
宿泊の割引 | 25% |
宿泊時のレストランの割引 | 20% |
宿泊なしのレストラン利用時の割引 | 10% |
割引券 | 5,000円分 * 2枚 |
割引券が合計10,000円分手に入り、割引後の年会費と同額なので、割引券を使えば年会費は実質的にゼロとも言えます。ヒルトン系列での宿泊やレストラン利用が一定程度発生するのであれば、HPCJ会員向けの割引を狙ってHPCJに入会するのも良いでしょう。
HPCJでは宿泊料金がベストレートより25%割引になります。ヒルトン系列は元の値段がそれなりに高いので、25%割引での値引きは結構大きなものになります。
さらに、宿泊なしのレストラン利用でも割引は効いてくるのが特筆すべき点です。ヒルトンの場合、マリオット・ボンヴォイとは異なりゴールド会員以上でもレストランの割引は特にありません。しかしHPCJの会員だとレストラン利用の割引が存在するので、仕事やプライベートでレストランだけを利用するようなシチュエーションでもメリットがあります。
必要な年間コスト
ヒルトン・オナーズのゴールド会員等は、ホテル修行ではなくクレジットカードの保有で得ることを考えます。すると、年間で一定のコストがかかります。
比較対象 | 年間コスト(税込) |
---|---|
ヒルトン・アメックス | 16,500円 |
ヒルトン・アメックス プレミアム | 66,000円 |
HPCJ | 10,000円 |
アメックス・プラチナ | 143,000円 |
Impresarioプログラム | 0円 |
最適なプラン
上記の年間コストや特典を踏まえて、適切なプランを考えてみます。
特典の価値
それぞれの特典の価値を、ごくおおざっぱに円換算してみます。
ホテルのランク | 特典 | 特典の価値(円・税サ込) |
---|---|---|
コンラッド | ヒルトン ゴールド会員 | 13,0002 |
ヒルトン ダイヤモンド会員 | 16,0003 | |
HPCJ | 10,0004 | |
アメックス・プラチナ FHR | 26,0005 | |
Impresario | 23,0006 | |
ヒルトン / ダブルツリーbyヒルトン | ヒルトン ゴールド会員 | 11,0007 |
ヒルトン ダイヤモンド会員 | 14,000 | |
HPCJ | 7,0008 |
この表によると、コンラッドやヒルトンに2回泊まるとヒルトン・アメックスの年会費を回収でき、5回泊まるとヒルトン・アメックス プレミアムの年会費を回収できます。
またコンラッドに6回泊まるとアメックス・プラチナの年会費も回収できます。
最適なプラン
まず、ヒルトン系列のホテルに泊まることが年1回あるかないか(0回〜1回)なら、年会費を回収できない可能性があるため、ヒルトンアメックスやアメックス・プラチナは要らないでしょう。ただし年1回以上は必ず泊まるのであれば、ウィークエンド無料宿泊特典を目当てにヒルトンアメックスを発行するメリットがあります。コンラッドに泊まるときだけImpresarioを使えば十分です。
コンラッドへの宿泊がメインであるものの回数が多くない場合は、Impresarioプログラムで予約すれば良いです。ただ、何度も宿泊するなら、アメックス・プラチナのFHR特典でレイトチェックアウトを16時確約にすることも検討の余地があります。
コンラッドではなく、ヒルトンブランドのホテルに一定程度以上泊まるのなら、年会費が少々高いもののヒルトン・アメックス・プレミアムを持ってヒルトンのダイヤモンド会員になる価値があります。宿泊回数が2〜4回ならヒルトン・アメックスで十分でしょう。
また、レストランのみの利用がそれなりにあるのであれば、レストランでの割引を目当てにヒルトン・アメックスを持ってHPCJに入会するのが良いでしょう。HPCJ自体の年会費は割引券を考えると実質ゼロであり、レストランのみの利用が16.5万円以上であれば、10%割引でヒルトン・アメックスの年会費を帳消しに出来ます。
コンラッド ブランドでの宿泊回数 | ヒルトン ブランドでの宿泊回数 | レストランのみの利用 | 適切な方法 |
---|---|---|---|
0 | 0〜1 | 少ない | 普通に公式サイトで予約する |
0〜5 | 0〜1 | 少ない | Impresario |
6〜 | 0〜 | 少ない | アメックス・プラチナ(FHR + ヒルトンゴールド) または Impresario + ヒルトン・アメックス・プレミアム(ヒルトンダイヤ) |
0〜 | 5〜 | 少ない | ヒルトン・アメックス・プレミアム(ヒルトンダイヤ) |
0〜 | 2〜4 | 少ない | ヒルトン・アメックス(ヒルトン ゴールド) |
- | - | 16.5万円以上 | ヒルトン・アメックス + HPCJ |