富裕層向けの記事などを見ていると、数年前まで海外の銀行で銀行口座を作る(いわゆる資産フライト)のが一部界隈で流行っていたそうです。そのときに香港に口座を作った人も結構いるようですが、政治的な理由で香港が今後大きく変わる可能性があります。
私は資産フライトを行ったことはないのですが、今後どうなるのか予想してみました。
注意事項
この記事は筆者の個人的な予想を記しており、今後起こることを保証するものではありません。また、筆者自身は資産フライトを行ったわけではなく、経済の専門家でもありません。
資金移動についての判断は自分自身で行ってください。
資産フライトとは
海外に銀行口座を作り、自分の日本円の資産を海外に外貨として移すことを指します(日本国内の銀行の外貨口座とは異なる)。富裕層の間ではかなり前から資産のリスクヘッジとして行われていたらしいですが、10年ほど前から多少有名(?)になり、2011年には資産フライトについての本も出ていることから、当時は一部界隈で流行っていたようです。
なぜ海外に資産を移すのでしょうか?
これは将来日本が経済危機に陥ったときに、日本円以外の形で資産を残すためだと言われます。日本の財政状況は悪くなっていっているため、壊滅的な経済危機が起きたときには預金封鎖も行われる可能性があります(実際、戦後の日本では預金封鎖が行われ、一定額以上の資産は税金等の形でほぼ没収されたようです)。そんな場合でも、海外にある資産には影響が及ぶ可能性が低い(←ゼロとは言っていない)ため、保険として海外に資産の置き場所を作っておくのは有効と考えられます。
さて、当時の香港では、香港の非居住者(←大多数の日本人)でも口座を作ることができたので、香港旅行のついでに口座を作る人がいたようです。本来であれば英語か中国語で口座開設の理由説明等のやり取りが必要ですが、口座開設をサポートする業者(兼 通訳? 使ったことがないのでよく分からない)が同席できるくらい審査が緩かったようです。なお、現在は非居住者の口座開設がかなり厳しくなっているようです。
香港の口座の今後の予想
さて、昨今の社会情勢の変化で、香港が中国本土に取り込まれる動きが進んでいます。これが進むと、もはや今までの香港のような経済的優位性や資産の保管場所としての安全性が下がると思われます。今後どうなるかを予想してみました。
預金の価値が下がる?
もし香港ドルとして預金している場合、香港ドルの価値が下がる懸念があります。その場合、資産が目減りする可能性があります。
香港ドル以外の通貨に変えておくと良いかもしれません。
入出金に制限がかかる?
私は詳しくないのですが、中国の人民元は他の通貨と比べて入出金に色々と制限(限度額など)があります。今後、香港が中国本土に取り込まれてしまうと、香港の銀行の銀行口座にも何かしらの制限がかかるかもしれません。
もし香港以外の国にも口座を持っているのであれば、今のうちにそちらに移すのが良いかもしれません。
香港ではなく中国の口座に変わる?
もし香港が完全に中国本土に取り込まれてしまうと、香港ドルは何らかのレートで人民元に変わることになるでしょう。その場合、香港の口座はもはや香港ではなく中国の口座に変わります。
その頃であっても、恐らく、中国の口座を開くのは日本人にとってはハードルが高いと考えられます。その場合、資産フライト当初の意図には反しますが、結果的に中国の口座を手に入れたことになります。香港が中国本土に取り込まれた頃には、中国の世界での存在感が今まで以上に増しているでしょう。その状況で中国の口座を持つのは、それはそれで便利かもしれません。