核ミサイルが日本に飛んできたことが分かった場合に取るべき行動を考えてみました。
「死の手」によって核ミサイルが飛んでくる?
最近、このような記事が出てきました。
プーチンが「暗殺」されたら即発射か…ロシア「核報復システム」の危ない実態
これによると、最近のウクライナ情勢に関連して「死の手」と呼ばれる装置が自動的に核ミサイルを日本に飛ばす可能性があるというものです。
ただし、次に述べるように私はこの記事の信憑性には疑問を持っています。
この記事で言及されている「死の手」と呼ばれる装置(Dead Hand, Doomsday device)は以前から存在が噂されています。
しかし英語で情報を調べたところ、これらは司令部からの通信途絶の他に核爆発に伴う光線や放射線や圧力変化を検知して報復用核ミサイルを発射するものであったり、非常事態に司令部とは別の場所にいる人による合意があってはじめて発射するというようなもののようです。大統領の死によって即発射という記述は少し調べた限りでは見つかりませんでした。さすがに全自動での核ミサイル発射は危険すぎるという判断のようで、非常時にすぐに核ミサイルを一斉発射できるようにするためのツールといった方が近いようです。
とはいえ何らかの理由で核ミサイルが飛んでくる可能性はゼロではないので、とるべき行動を考えてみます。
核ミサイルが飛んできたときの流れ
核ミサイルが飛んできたとすると、前述の記事の後編によると東京だけでなく大都市も壊滅するようです。しかも検知から着弾までほとんど時間がないため、サイレンの音を聞いて逃げているのでは遅いです。田舎に住んでいる場合以外は実質的に諦めるしかないように見えます。
とはいえ、(その後の放射性降下物等の対策は必要ですが)運良く核ミサイルが不発で小規模な爆発に終わったり、位置の関係で熱線の影響はなんとか免れる可能性もあります。そこで、自宅にいると仮定して1分以内に可能な限りの防御態勢を整えることを考えます。
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0あらかじめ安全な部屋を確認しておく
逃げ込むべき部屋をあらかじめ考えておきます。
地下室があればベストでしょうが、ほとんどの家にはそのようなものはありません。窓があると爆風により窓が割れて危険なため、窓がないor雨戸などで窓を塞ぐことができる部屋をあらかじめ探しておきましょう。そのような部屋がない場合は、窓のない廊下でも構いません。
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1国民保護サイレン等で非常事態を知る
核ミサイルが飛んできた場合、マスメディアで緊急速報が入るほか、「国民保護に係る警報のサイレン音」というものが流れるはずです。これを聞いたら即座に次のStepに移ります。
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2非常用の物品を手に取る
地震などの災害時のために、非常用の食料などを買って非常用持出袋にまとめている方はいらっしゃるでしょう。この袋は生存のために必要ですが、ミサイル着弾後は家の中が破壊されて非常用持出袋も取れなくなる可能性があります。
非常用持出袋はStep 0で確認した部屋に置いておくのがベストですが、もしすぐに(数秒で)取り出せるのであれば、非常用持出袋を手に取りましょう。なお、すぐには取り出せない場合はいったんスキップして、安全な部屋に入ることを優先します。
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3安全な部屋に入って雨戸や扉を閉める
Step 0で確認しておいた部屋に入り、雨戸や扉を閉めましょう。
窓や扉からは極力離れて待機します。布団等があれば頭を守るためにかぶっておいたほうが良いかもしれません。
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4近くにより安全な場所がある場合は移動を検討する
核爆発が起きた場合、爆発後に降る放射性降下物が致命的になるため、放射性降下物から出る放射線から可能な限り距離を保つことを考えます。
もし家が破壊されて放射性降下物を防げそうにない場合や、近く(徒歩5分以内)に今の場所よりも明らかに良さそうな場所(地下や強固なビルなど)があれば、放射性降下物が本格的に降ってくる前にそちらに移動することも検討しましょう。なお移動中に放射線を浴びるリスクはあるので、ある意味ギャンブルかもしれません。
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5食料などを家の中からかき集めて部屋を密閉する
幸いにも家への物理的な被害が限られている場合は、放射性降下物による放射線が減衰するまで安全な部屋に籠もる準備をします。
Step 2で非常用持出袋を取りそこねた場合はこのタイミングで部屋に運びます。また、その他の水・食料・消耗品(小さい子どもがいる場合はオムツなど)も可能な限り部屋の中に運び込みます。
火は消して、給水がストップする前にあらゆる容器に水を蓄えましょう。
放射性降下物の侵入を防ぐため、換気扇は止めて窓や扉の隙間をテープで目張りします。
家の中でも放射性降下物からの放射線を可能な限り遮るため、(時間的余裕がないので)安全な部屋に絞って壁を厚くすることを考えます。安全な部屋のうち屋外に接しているor近い面の壁に家具等を寄せて壁を厚くします。
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6安全が確認されるまで部屋の中に籠もる
状況によって2日〜14日間と幅はありますが、放射性降下物からの放射線が減衰するまで、部屋の中に籠もりましょう。
参考文献