国内外に展開しているホテルグループとして有名なものに「マリオット」と「ヒルトン」があります。それぞれ会員プログラムがありますが、1つ選ぶならどちらの会員になった方が良いか考えてみました。
ポイント
- 家族でリゾート地に行くのに使うならヒルトン。出張や1〜2人でのホテル籠もりに使うならマリオット。
- ゴールド会員の特典を安定して楽しめるのはヒルトン。マリオットだとゴールド会員の恩恵を受けにくい模様。
- 同じゴールド会員になりたいなら、こだわりが無ければマリオットアメックスよりヒルトンアメックスの方が無難

ホテルの件数はマリオットの方が多いのだが…
まずはホテルの件数で比較してみます。
都市部のホテルの数を考えるとマリオットが便利
2018年にリッツカールトン・スターウッドプリファードゲスト・マリオットが統合されてから、マリオット系列のホテルの数はとても多くなりました。例えば本記事を初めて公開した2020年6月の時点で、近日オープン予定のものも含めると、マリオット系列のホテルは日本国内に53箇所、ヒルトン系列のホテルは18箇所あります。
特に、ヒルトンに比べると都市部に多く存在するため、出張で使うには立地が良いでしょう(ただし宿泊費が一般的な日系ホテルよりも明らかに高価なため、サラリーマンが使えるかどうかは別の問題ですが…)。そのため、次のような人にはマリオットが向いているように思えます。
- 経費を潤沢に使える人で、出張が多い場合
- 都市部の高級ホテルに籠もって作業したり、ホテルでの生活を満喫したい場合
マリオットアメックスプレミアムやアメックス・プラチナを持つと、宿泊実績0泊でもマリオットの中級会員(ゴールド会員)になれるので、使う機会が年に数回ある方はおすすめです。
リゾート地ではヒルトン系列もホテルが多い
都市部ではマリオットの方がホテルの数が多いものの、リゾート地(沖縄やハワイなど)ではヒルトン系列のホテルも多く存在します。
正確に言えば、数だけ考えるとマリオットの方が多いのですが、リゾート地の場合はヒルトンも複数のホテルがあるので、選択肢としてヒルトン系列のホテルも十分入ってくるでしょう。そのため、次の場合はヒルトンも良い選択肢になります。
また、リゾート地のホテルの割合が比較的多いためか、ヒルトン系列の方が家族連れ向けのオファーやプランが多い傾向にある気がします。
- リゾート地で休暇を楽しむ場合(特に家族連れの場合)
大都市や有名観光地ならどちらのホテルもある
以前、別の記事でホテルの所在について調べてみました。
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エリア別 マリオットとヒルトンのホテル分布
マリオットやヒルトン系列 ...
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件数だけで言うとマリオットの方が圧倒的に多いです。しかし、東京・大阪・名古屋といった大都市や、沖縄・京都・軽井沢などの有名観光地にはマリオットもヒルトンも存在します。そのため、実用上はどちらを選んでもあまり変わらないかもしれません。
ポイント
ザ・リッツ・カールトンやコンラッドなど5つ星ホテルの予約はClassic Travelがおすすめ!
一般的な旅行サイトでは出てこない「特別なプラン」を予約すれば、ホテル修行しなくてもルームアップグレードやレイトチェックアウト等の特典が付きます。
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ゴールド会員の特典はヒルトンの方が良い
マリオットはマリオットアメックスプレミアムでゴールド会員になれるのと同様に、ヒルトンはヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード(以下、ヒルトンアメックスと書く)でゴールド会員になれます。またアメックス・プラチナを持つとマリオットとヒルトンの両方のゴールド会員になれます。何十泊もの宿泊実績を積む必要がないため、マリオットもヒルトンも(所定のクレジットカードの年会費さえ払えれば)ゴールド会員になるためのハードルは低いです。
しかし同じゴールド会員で考えた場合、ヒルトンのほうが会員特典は豪華です。
- 個人的な経験上、ラウンジ入場可の部屋にアップグレードされる可能性が高い
- 確実に朝食が2名まで無料
部屋がアップグレードされやすい傾向にある
あくまでも個人的な経験に基づくものですが、私がゴールド会員としてヒルトン系列の通常の部屋(ラウンジアクセスなし)を予約すると、かなり高い確率(8割以上)でラウンジ入場可のエグゼクティブルームにアップグレードされました。
一方、私がゴールド会員としてマリオット系列の部屋を予約すると、高層階へのアップグレードはあったものの、ラウンジ入場可の部屋にアップグレードされたことはほとんどありませんでした(2割以下)。
後述しますが、マリオットはゴールド会員より上のプラチナ会員やチタン会員が多く、そちらの会員の方がアップグレードが優先されるため、ゴールド会員のアップグレード率は低いものと思われます。
ヒルトンのゴールド会員は確実に無料朝食が付く
朝食は2名まで無料になります。
ホテルの朝食は高価ですが、これが無料になるとコストメリットも大きいです。特に1名ではなく2名以上(カップル・夫婦や家族連れなど)で行く場合はメリットが大きくなります。その時の部屋の空き状況によって可否が変わる客室アップグレード特典とは異なり、確実に朝食無料になるのも利点です。
ヒルトンは平会員でもレイトチェックアウト可能
ヒルトンの場合は会員登録のみでなれる平会員(宿泊実績0泊)でもレイトチェックアウトのリクエストが可能です。あまり表立っては書かれていませんが、利用規約には書かれており、他のホテルグループより気前が良いです。
シルバーエリート、ゴールドエリート、ダイヤモンドエリート会員を含む、ヒルトン・オナーズ会員全員のためのヒルトン・オナーズ・アメニティ
レイト・チェックアウト:お客様からチェックアウト時間延長の要望があり、状況が許す場合に限られます。
ヒルトン・オナーズ会員規約
ただし、ヒルトンのレイトチェックアウトは最近は時間が短くなる傾向にあり、ゴールド会員でも13時までのことがあります。もしレイトチェックアウトを大いに利用したいのであれば、マリオット(空きがあればゴールド会員だと14時までと明記)のゴールド会員以上を目指すのが良いでしょう。
マリオットのゴールド会員増えすぎ問題?
私は以前アメックス・プラチナを持っていたので、ゴールド会員としていくつかのマリオット系列のホテルに泊まったことがあります。ゴールド会員の目玉は、ルームアップグレード特典(空きがあれば無料で上位の部屋になる)でしょう。しかし個人的には…マリオットのルームアップグレード特典で大幅にアップグレードしてもらった経験は少ないです。これは完全に個人的な推測ですが、マリオットのゴールド会員が増えすぎたのではないかと考えています。
恐らく皆さんも見たことがあるかと思いますが、「マリオットアメックスプレミアム」というクレジットカードの広告が多くのサイトで掲載されています(このサイトもその1つですが…)。これは航空会社のマイルを貯めるのに実際に便利なためマリオットアメックスプレミアムを推しているのもありますが、広告経由でカードが申し込まれるとサイト運営者に広告収入が入るという大人の事情(広告経由でマリオットアメックスプレミアムが申し込まれると、サイト運営者に広告収入が入る)もあります。広告が入ったWebサイトの増加とともに認知度が高くなっているため、マリオットアメックスプレミアムの保有者が増加していると推測しており、マリオットのゴールド会員の人がメリットを享受する機会が減っているのではないかと考えています。
さらに言えば、マリオットの場合はゴールド会員より上のプラチナ会員やチタン会員になる人も少なくない(「プラチナチャレンジ」という、比較的簡単にプラチナ会員になる方法がある)ため、ネット上の情報を見る限り、明確なメリットがあるレベルでのルームアップグレードはもはやプラチナ会員がメインになりつつある印象です。
一方、ヒルトンで同様のゴールド会員になれるカードとして、かつてはヒルトン・オナーズVISAカードが存在しましたが、こちらはサイト運営者が広告を載せるのが難しい(私が知る限りでは、アフィリエイトサイト用に広告を出す方法が無い?)ため、広告として掲載されているのを見る機会は稀でした。また、航空会社のマイルを貯めるのもマリオットと比べると不利です(交換レートが悪い)。
2021年3月にヒルトン・オナーズ VISAカードに代わってヒルトンアメックスが登場しました。これを紹介しているサイトは出てきていますが、今のところはヒルトン系列の会員の急増は起きていないようです。むしろマリオット系列の会員がさらに増えているようにも見えます。
いずれにせよ、現時点ではヒルトンのゴールド会員は少なく、部屋も気前よくアップグレードされる傾向にあります。
こだわりが無ければマリオットアメックスプレミアムよりヒルトンアメックスの方が無難
このページを見ている人の中には、マリオットアメックスかヒルトンアメックスを発行して、宿泊実績ゼロでゴールド会員になろうと検討している方もいるかと思います。そのような方は、マリオットorヒルトン系列のホテルでの宿泊は年10泊もいかないと思います1。
上記のようにマリオットの方がホテル数が多いものの、ゴールド会員としての恩恵は得にくくなっています。せいぜい年数泊のために2万円以上(マリオット・アメックス・プレミアムなら5万円近く)の年会費を払ってマリオット・アメックス作るのは、恩恵をあまり得られないリスクを考えると少々抵抗があります(ホテルの特典狙いではなく、マイルを貯めるだけのカードして割り切ってしまうのも一案ですが)。
一方でヒルトンアメックスだと、マリオット・アメックスよりも安い年会費で、ほぼ確実にゴールド会員としての恩恵を受けられます。もちろん、マリオット系列しか無い地域にしか行かないならマリオット・アメックスの方が良いでしょう。しかし、そのようなこだわりが無ければ、年会費が安いヒルトンアメックスを発行して、高い確率でゴールド会員の恩恵を得るのが良いと思います。確実な朝食無料+高い確率での部屋のアップグレードで、1〜2泊すれば年会費を回収できるでしょう。
上の枠からヒルトンアメックスを申し込むと、入会後のカード利用でボーナスポイントを得ることができます。
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