2023年3月に東京ステーションホテルに宿泊してきました。
東京ステーションホテルとは
1915年に開業したホテル(2007〜2012年は工事により休館)であり、国の重要文化財の中に泊まることができる稀有なホテルです。
https://www.tokyostationhotel.jp/history/
JRホテルグループの1つであるほか、独立系ラグジュアリーホテルの会員組織であるSmall Luxury Hotels of the World(以下、SLHと記す)の一員でもあります。さらに、日本クラシックホテルの会の一員でもあります。
東京ステーションホテルへのアクセス
その名の通り東京駅至近です。
丸の内側の正面入口が入るのが通常ですが、JR東京駅の丸の内南口にサブの入口があります。こちらであれば駅から外に出ずにフロントに行くことができるため、雨天のときに便利です。
ドームサイドキングの客室の様子
今回はドームサイドキングの部屋に宿泊しました。これは東京駅の丸の内北口・南口にあるドームの横の部屋であり、部屋から丸の内側の改札を見下ろすことができます!
ドームに合わせた形になっているため、部屋の形や家具の配置も独特です。この客室は天井高がかなり高い(3.9m)のも特徴的です。
なおドームサイドキングは改札を見下ろす窓(後述)しかないため、東京駅の外への眺望はありません。
ドームサイドキングの客室には窓が1つだけあり、丸の内側の改札にあるドームの3階から行き交う人を見下ろすことができます。なおドームサイドコンフォートの部屋だと窓が2つあるようです。
丸の内改札は各種アナウンス等で騒がしいのですが、遮音性が高く駅の音はほとんど聞こえませんでした。なおマジックミラー等にはなっておらず単なるガラスのため、向かい側(別のドームサイド客室)や1〜2階の人から部屋の中が見えてしまいます。全裸で窓際に立ったりしたらアウト(笑)なので、使わないときはカーテンを閉めておくのが無難です。
PC作業などに使えるデスクもあります。椅子は高さ調整やリクライニングは不可。デスクにあるメモ用紙は100字詰めの原稿用紙になっています。
デスクの上に鏡があるのですが、なぜか凸面鏡になっています。パルミジャニーノの『凸面鏡の自画像』を彷彿とさせます。
机のところにあるコンセントマークがある板は、下の部分を押すとバネで開く仕組みになっており、中にはコンセントが3つ+有線LANのジャックが1つありました。充電用のUSB端末はこの中にはありません。
ミニバーはよくある内容のものです。
東京ステーションホテル内の様子
このホテルは共用部が非常に面白いです。客室フロアの壁面には昔の東京駅周辺の資料が多数展示されています。
館内の見どころはチェックイン時に渡されるリーフレットに載っているので、館内をくまなく回るのが面白いでしょう。個人的には1957年の時刻表と、その横に松本清張の『点と線』の当時の連載紙面が展示されているのが興味深かったです。
客室フロアの廊下は、ホテルとしては非常に長い直線になっています。残念ながら下の写真では分かりにくいですが、1箇所だけランプの色の赤みが強いものがあり、エレベーターの場所を表しています。
4階のアトリウムは天井高最大9mになるホテル内最大の部屋です。朝食会場でもあります。
東京ステーションホテルの食事
朝食
朝食付きプランの場合は4階アトリウムでのビュッフェ形式の朝食を食べることができます。
(このホテルよりも高額な)都内の5つ星ホテルとは異なり、メインのものを別途注文するのではなく、すべて自分で取りに行くスタイルです。しかし個人的には5つ星クラスのホテルに劣らない、むしろそれらに匹敵するレベルの素晴らしい朝食でした。
サンドイッチ
例によってクラブハウスサンドイッチ比較をしようと思ったものの、クラブハウスサンドイッチはありませんでした。
代わりにミックスサンドウイッチを注文しました。
他のホテルのクラブハウスサンドイッチと異なり、出来たてアツアツが届くのではなく常温のものが届きます。また細く包んでいる形式です1。ただ、何気に5つともすべて中身が違うものだった気がします。
東京ステーションホテルに特典付き宿泊する方法
今回は私はどちらも使っていないものの、様々な特典が付く予約方法があります。
ハイアットのWebサイトから予約(SLH)
グローバルに展開するホテルグループの1つにハイアットがあります。東京ステーションホテル自体はハイアットとは無関係なものの、ハイアットがSLHと提携している関係で、なぜかハイアットのサイトから東京ステーションホテルを予約することができます。
しかも、ハイアットの会員ステータスに関係なく、SLHのInspired会員(4〜12泊必要)に近い次のような特典が付きます。
- 大人2名分の無料朝食
- 12時アーリーチェックイン(空き状況次第)
- 14時レイトチェックアウト(空き状況次第)
- 客室アップグレード(空き状況次第)
- その他、ハイアットの宿泊実績にも加算されるなど
厳密にはInspired会員の特典とは少し異なります(例えば誕生日プレゼントの特典はハイアット経由だと付かないなど)が、主要な特典はほぼ同じと言っても良いでしょう。ホテル好きの方ならハイアットの会員になっている方も多いと思われるので、別途SLHの会員になっている等でなければ、こちらの方が便利だと思います。
Classic Travelで予約
5つ星クラス専門の旅行サイトであるClassic Travelでも東京ステーションホテルを予約することができます。こちらのサイトではSLH withINという「特別なプラン」を扱っており、SLH withINプランでは次のような特典が付くようです。
- 大人2名分の無料朝食
- アーリーチェックイン(空き状況次第)
- レイトチェックアウト(空き状況次第)
- 客室アップグレード(空き状況次第)
- 50 USD分のホテル内クレジット
ハイアットのサイトからの予約と比べて、50 USD分のホテル内クレジットが付くのが嬉しいです。
いくつかの条件を試したところ、どうやら2泊以上のときのみSLH withINプランは使えるようです。1泊だと出てきません。
日本クラシックホテルの会
「日本クラシックホテルの会」は日本各地にある当地では歴史が長く格式の高いホテルを集めたもので、現在は9つのホテルが加盟しています。
東京ステーションホテルは日本クラシックホテルの会の会員でもあるため、フロントにてクラシックホテルパスポートを販売しています。これはホテルごとのスタンプを押す欄やホテルの説明が記載されているもので、3年以内に対象ホテル4つを回ると食事券、9つ回ると宿泊券が手に入る特典もあります。
チェックアウトより前にフロントに言えば、押印された状態でクラシックホテルパスポートを準備してもらえる(パスポート代金は部屋付で、チェックアウト時に受け取る)ことも可能です。
東京ステーションホテルの感想
以前から泊まってみたいホテルであり、予想通り、いや予想以上に歴史を感じさせるものでした。
ホテル内の見どころが非常に多く、館内を回るのがここまで楽しいホテルはあまり無いと思われます(館内ツアー付きプランもあるくらい)。また個人的には朝食も満足度の高いものでした。
他の外資系5つ星ホテル等と比べると、ルームサービスのメニューが微妙に少なく感じたのが気になりましたが、東京駅周辺には数え切れないほど多数のレストランがあるため、日中であれば食事には困らないでしょう(逆に言えば、深夜は困るかもしれない…)。