つげ忠男の作品

読書

つげ忠男という漫画家の作品について記します。

つげ忠男氏とは

独特すぎる作風かつ寡作ながら、一部で熱狂的なファンが居る漫画家としてつげ義春氏がいます。『ねじ式』などが代表作で、過去には映画化されたこともあります。私は大学生協の書店で筑摩書房の『つげ義春コレクション』として文庫本として売られていたものを(恐らくタイトルが興味深かったためか)偶然に発見して、その独特な作風からつげ義春氏の作品が好きになりました。つげ義春氏の作品についてはいずれ別の機会に語ろうと思いますが、この方の弟であるつげ忠男氏もまた漫画家です。ただ、兄の義春氏よりもさらにマイナーで、書店の店頭で見たこともなく、実際の作品を読んだことはありませんでした。

つげ忠男氏の作品は実はKindle化されている

何気なく調べてみたら、つげ忠男氏の作品がいくつかKindle版として販売されていました。どうして今まで気づかなかったのか。そして、便利な時代になったものだ。

まずは無頼平野けもの記を購入。血液銀行(戦後の一定の時期、輸血用の血液は一般の人から購入しているものが大半を占めた。いくつかの理由により品質に問題が多かったため、無償で血液を渡す今の献血制度ができた)で働く人の話や、タイトル通りの無頼の人の話などが載っています。義春氏の作品でも似たような社会的階層の人を描いた作品はありますが、こちらのほうがより直接的で、ユーモアを追加せずに見たままの雰囲気を描いているように思います(故に、子どもが読む貸本マンガからは対象が外れる。赤線や労働争議の話とかが出てくるので、その辺の知識が多少なりとも無いと理解しにくい)。ついでにつげ忠男のシュールレアリズムも購入。

この作品を自宅にいながらKindleで購入できるというのは便利ですね。理解されにくい本については、本を本棚に入れる必要がなく秘蔵できるというのも、Kindleのメリットです。

兄と比べてばかりいるのは良くないと思いますが、画風は兄と似ているように思いました。また、一部作品では兄の作品の登場人物に似た人もいるものの、忠男氏独特の人物もいるように思います。兄の作品も含めて、決して万人におすすめできるものではないが、ハマる人はハマる、そんな作品です。