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富士山 須走ルート 単独弾丸登山の流れ【2023年8月】

2024-06-20

2023年8月に須走ルートで富士山に登りました。その際、山小屋に宿泊せずに徹夜で一人で登りました(単独弾丸登山)。

とりあえず分かったことは・・・山頂で日の出(御来光)を見るには、「遅くとも26時15分までに本八号目を出るべき」。

2024年から弾丸登山を防ぐための方策が始まるようです。そのため、本ページに記載のスケジュールでの登山はできなくなる可能性があります。2023年までの参考情報としてご覧ください。

このページで「山頂」と書いている場所は、須走ルートのゴール(富士山山頂浅間大社奥宮のあたり)を指すものとします。3,776m点(剣ヶ峰)に行くには、そこからさらにお鉢巡りルートを進む必要があります。

弾丸登山とは

富士山登山は通常は山小屋に1泊して登ることになりますが、山小屋に泊まらずに徹夜(0泊2日)で登ることも可能で、弾丸登山と呼ばれます。夕方〜夜に5合目の登山口から登り始め、早朝に須走ルートの山頂部に到達して日の出を眺め、その後下山すると午前中に5合目の登山口に戻ることができます。

弾丸登山には次のようなメリットがあります。

  • 山小屋がすべて満室で予約できない日でも富士山登山ができる
  • 5合目登山口に夕方までに到着すれば実施できるので、1日目に用事があっても登山できる
  • 山小屋の料金を節約できる

一方、次のようなデメリットもあります。

  • 徹夜で登るので体力的に相当厳しい。途中の山小屋で休むことができず、長時間外気(真夏でも寒く、山頂付近は風が強いと体感温度は0度近く)に晒される。
  • 途中の売店も営業時間外になるので、途中で水や食料の調達ができず、すべて持ち込む必要がある。
  • 深夜に登る上にまわりに人がほとんどいないので、道に迷う可能性が多少ある。また、特に単独登山だとやや怖いと感じる人もいるかもしれない。
  • このような悪条件のため、下山した頃には体力が尽き果てている。登山口から自宅まで自家用車で帰るのは危険と思われる。

このように、ただでさえ大変な富士山登山(若い人でも高山病などでリタイアする人は少なくない1)なのに加えて悪条件が重なります。初めての富士山登山での弾丸登山は全くオススメできません!富士山登山の経験がある中〜上級者向けの方法です。

私は今回までに富士山登山を3回経験済みで、そのうち2回は単独登山、1回は弾丸登山でした。そのため富士山登山の大変さは理解しています。また富士山以外にも、夜間単独登山を含む登山の経験があります。そんな私でもかなり厳しい戦いでした。

富士山 須走ルート 単独弾丸登山の流れ

実際に登った時の流れを書き連ねていきます。

ここに記載の時刻は2023年8月上旬の平日に登山した時のものなので、電車やバスの時刻表は現在のものとは異なる場合があります。特に、2024年以降は弾丸登山を防ぐための方策が行われているため、夕方に須走口5合目登山口に到着するのに便利な時間の特急やバスが運行されない可能性もあります。

新宿駅から御殿場駅まで、行く小田急特急「ふじさん」が運行されています。小田急の窓口にある手荷物預かり所(基本は当日預かりだが実は翌日まで預けることも可能だった)に登山に使う以外の荷物を預け、14時半頃に新宿駅を出発。

16時20分頃に御殿場駅に到着。御殿場駅の富士山口の方に富士登山に使用できるバスの乗り場があります。このバスのチケットはチケット売り場(乗り場の近くにある)で買うことができるほか、Visaカードのタッチ決済でも乗車できました(その場合はチケットは買わず、乗車時と降車時にカードリーダーにVisaカードをタッチさせる)。16時35分発に御殿場駅バス停を出るバスに乗車。バスの中の乗客は数人で、余裕を持って席に座ることができました。

1時間ほどバスに揺られ、17時35分に須走口5合目バス停に到着。バス停付近にトイレがあります。

須走口5合目のバス停

須走口の5合目には2つの山小屋(菊屋・東富士山荘)があり、食事や登山装備の購入、宿泊が可能です。

5合目にある売店。手袋を忘れたことに気付いたので購入。

とりあえず夕食を。

カツ丼(菊屋か東富士山荘のどちらかは忘れた)。確か量多めだったはず。
5合目からの眺め。この頂を目指すことにする!

ちなみに須走ルートの5合目からの標準登山時間(登り)は6時間となっています。今回は日の出(御来光)を須走ルートの山頂部で見ようと思い、当日の日の出時刻は4時45分頃だったので、単純計算すると22時45分頃に出発すれば良いことになります。ただ現実はそう単純ではなく、以下の要因で登山開始時刻は熟慮が必要です。

  • 途中で吉田ルートと合流すると大渋滞に巻き込まれてスピードが落ちるのは確実(出るのが遅すぎると日の出までに山頂に到達できない)
  • 高度が上がるととても寒くなり、日の出まで山頂で長時間待機するのは耐えられない(早く着きすぎても困る)
  • 最近は登山をしていなかったので体が鈍っている上に、前日にあまり休めなかったので、昔のように標準時間より速く登ることはできないであろう(影響未知数)

検討の結果、18時45分に5合目を出発することにしました。それまで、夕食を食べたりストレッチをしたりして高所順応していました。

あとはひたすら淡々と登ることになります。ちなみに売店はほぼ閉まっていたので補給はできませんでしたが、トイレは(全てではないものの)24時間開いているものが多かったです。

途中で通過した新6合目
  • 20時15分頃 6合目通過
  • 21時15分頃 本6合目通過 この先は山小屋の売店はすべて営業時間外になるため、補給が不可能に・・・。
  • 23時30分頃 7合目通過 汗が冷えて寒くなってきたので、発汗を抑えるために意図的にペースを落とす
  • 25時10分頃 本7合目通過

たまたまこの日は無風で、周りに人はいないため、自分自身の足音以外は無音の空間を進みました。雲もなくほぼ満月で明るく、ヘッドライトを消しても進むことができました(危ないのであまりお勧めはしないが)。

ちなみに、須走ルートを弾丸登山するような人は登山の上級者ばかりです。周りの登山客のペースに合わせて動くと、本来の自分のペースから上げすぎて体力を必要以上に消耗する可能性があるので要注意です。

  • 25時45分 8合目通過
  • 26時15分 本8合目通過

ここから吉田ルートに合流したため、大渋滞に巻き込まれました。当然ですがペースも大幅に落ちます(単に疲れてたのもありますが)。

26時15分頃の本八号目。この売店はこの時間でも営業していました。
山頂まで続く人の群れ
しばらく登ってから見下ろしたところ。
  • 27時45分 9合目通過
  • 28時30分 須走ルートでのゴール(富士山頂上 浅間大社奥宮)に到着
  • 28時45分頃 御来光を見る
須走ルートのゴール付近(本当の山頂(3,776m点)は別の場所にある)
須走ルート山頂付近での御来光
須走ルート山頂付近

休憩した後、29時半に下山開始。須走ルートの下りは砂走りがあることで有名で、砂走り区間では勢いよく降りることができます。ただ、予想外だったことは・・・砂走りと同じく沈みやすい砂の区間が、砂走り区間以降も樹林帯までひたすら続いており、杖なしで疲労している足には非常に辛いものがありました(下り坂での足の動かし方を忘れていたのと、私自身が重心高めなのもあり)。また、高山で酸素が薄め+前日からの疲労や寒さからか息切れが続き、5合目登山口に着いたのが34時30分ころ。下の標準時間が3時間となっているので、1.7倍近くかかったことになります・・・。

降り始め
砂走りの先にある荒涼とした空間
5合目の売店でのきのこそば(登り始めにカツ丼を食べたのとは異なる方のお店)

11時45分に須走口5合目バス停を出るバスに乗ります。このバスは普通の路線バスで使われる車両なのですが、弾丸登山で利用者が非常に少なかった行きと違って、弾丸登山でない(山小屋に宿泊した)人もいるので、乗車する人の人数がかなり多く、バス停で行列ができています。運が悪いと椅子に座ることができず、疲労困憊の状態で1時間立ちっぱなしになる可能性があるので、行列には早めに並ぶことをオススメします。

12時40分に御殿場駅のバス停に到着。うまくいけば新宿行きの小田急特急「ふじさん」に乗れるはずだったのですが、色々あって間に合いませんでした・・・。幸いにも、御殿場駅の乙女口(富士山口とは逆の方)からバスタ新宿行きの高速バスが比較的頻繁(30分〜1時間間隔)に出ていることに気付いたので、高速バスで新宿に行きました。

その後、パークハイアット東京に宿泊しました。

山頂で御来光を見るには26時15分までに本八号目を出るべき

今回、26時15分ころに本八号目を通過した結果、いい具合に日の出直前に須走ルート山頂に着くことができました。

日によって日の出時間が変わったり、土日だと渋滞がさらにひどかったりする可能性がある(今回は平日)ので一概には言えないですが、26時15分までに本八号目を通過するようにすれば山頂で御来光を見ることができるでしょう。なお土日だったり体力に自信がなかったりする場合は、それより早い時間(例えば26時頃)に通過するようにスケジューリングしましょう。

須走ルートや吉田ルートを使って富士山登山する方は参考にしてください。

  1. 20代の頃に友人10人くらいで吉田ルートを登ったところ、2人くらいが怪我や高山病でリタイアしました

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