飛行機・鉄道

エミレーツ航空 ファーストクラス搭乗記(A380 ドバイ→成田)

2023年の12月に、ドバイから成田空港までエミレーツ航空のファーストクラスに乗りました。今回はB777ではなくA380型機に乗っています。

航空券は有償発券ではなく特典航空券です。

ドバイ国際空港のファーストクラス チェックインカウンター

通常、エミレーツ航空のファーストクラス利用時は、ホテル等から空港までの送迎車のサービスが付いてきます。しかし特典航空券の場合は送迎車のサービスはないため、タクシー等を使って自力で空港に行く必要があります。

ビジネスクラス・ファーストクラスの場合、チェックインカウンターのエリアがエコノミークラスとは別の場所にあります。ただ、チェックイン時にファーストクラス向けの特別なサービスがある空港(シンガポールのチャンギ空港など)とは違い、だだっ広い空間にただただビジネスクラス・ファーストクラス用のチェックインカウンターが並んでいるだけです。ただしカウンターの数も多く、恐らくはビジネスクラス以上の利用も多いであろうエミレーツ航空らしいといえばらしいですが…。

ビジネス・ファーストクラスカウンターのエリア。ただただ広い。
手前側にファーストクラスカウンターが並ぶ

エミレーツ航空ファーストクラスラウンジ(コンコースA)

私が登場する便のゲートはA系列だったため、コンコースAのファーストクラスラウンジに入りました。深夜(23時頃)だったこともあり閑散としていましたが、少しは人がいました。なおラウンジは出発の4時間前から利用可能と書かれていますが、多少であれば早めに入室可能なようです(大幅に早い場合は不明)。

ラウンジといえば、専用の部屋に椅子やら食事やらがある風景を想像します(シンガポール航空のプライベートルームもそうだった)が…こちらのラウンジは部屋というよりもフロアすべてがファーストクラスラウンジでした。この廊下も端から端まですべてファーストクラス向けです……ラウンジっていうレベルじゃねぇぞ!

ラウンジ…というか専用フロア
こちらもラウンジの一部
こちらもラウンジの一部
ファーストクラスラウンジ コンコースAの案内図。端から端まで歩くと10分以上かかるような書き方になっている。

このラウンジ内のダイニングエリアでは、好きな食事を食べることができます。また同時にシャンパンなども注文できます。ダイニングエリア以外にも、コーヒー等を飲める場所が何箇所かあります。もちろんすべて無料。

とりあえずサラダを注文…と思ったら、大きな器に入って出てきたので、サイドメニューとして頼むには不適切だった
ステーキ

シャワールームもあります。深夜だったこともあり、順番待ちなしでするに利用できました。

仮眠に使える部屋もあります。たまに清掃が入るため一時的に利用不可になっていましたが、既に寝ている人はそのまま寝ていられるようでした。

仮眠室

搭乗ゲートがラウンジ内にある

普通の飛行機では、搭乗時刻が近づいたらラウンジを出て搭乗ゲートに向かいます。ファーストクラスだと優先搭乗はあるものの、いったん全クラスの乗客が同一の場所に集まることになることになります。

しかし、エミレーツ航空はそこも特別であり、なんとラウンジから出ずに搭乗することができます

正確に言えば、ファーストクラス用の搭乗ゲートがラウンジの端にあります(もちろんファーストクラスラウンジの利用者以外は入れない)。その先のエレベーターでビジネスクラスの乗客(恐らくビジネスクラスラウンジから来たと推測)と合流し、そのままA380機の2階につながるボーディングブリッジに行きます。そのため、搭乗時刻ギリギリまでラウンジに滞在することができます。

ファーストクラス・ビジネスクラスは2階につながるボーディングブリッジ(写真で言うところの奥側のもの)から搭乗

エミレーツ航空 A380ファーストクラスの機内

超絶眠かった&体調が良くなかったため、写真は最低限しかありません。離陸後はすぐに眠ってしまったため、前菜(?)のキャビアとドンペリを逃してしまいました。

シンガポール航空スイートと同じく、CAさんに言えばベッドメイキングしてもらえます。また扉を閉めて個室にすることもできます。

座席
ドリンクが大量に備え付けられているので、のどが渇いたらCAさんを呼ぶことなく飲むことが可能
機内正面。画面が大きい。

目が覚めたら朝食を注文できます。比較的軽めの朝食だとこんな感じ。

朝食の例

A380機の場合、機内にシャワーが付いています!まあラウンジでシャワーを浴びてたので、あえて機内で浴びる必要はないものの、せっかくなので使ってみました。

写真を撮り忘れてしまったのですが、シャワールームはトイレとパウダールームを兼ねています。シャワーは水量の制限があるので長時間は使用できません(お湯を出せるのは5分か10分かそれくらい。もちろんお湯を途中で止めることも可能)。

注意点としては、ファーストクラス14席に対してシャワーは2つです。ファーストクラスが満席になることは少ないと思いますが、タイミングによってはシャワーが利用可能になるまで待ち時間が発生するかと思います。

またシャワールームはトイレを兼ねているため、シャワー利用中は他の人はトイレが使えません!実のところこちらが問題で、他の乗客2名がそれぞれシャワーを使っている間は、ファーストクラス用のトイレに行くことができません。通常のトイレと異なりシャワーが終わるまで時間がかかるので、空くまで時間がかかります。そのため、トイレが我慢できなくなったら後方のCAさんに声をかけて、ビジネスクラス用のトイレを使う等する必要があるかと思います。

最後に…イスラム圏の航空会社らしく、キブラコンパスがフライトマップの機能として付いています。これでイスラム教での祈りの時間や祈る方角が分かるようです1

フライトマップの機能としてキブラ・コンパスが付いている

エミレーツ航空のファーストクラスの特典航空券の取り方

実は特典航空券を取りやすい

たまに「ANAの日本〜ハワイ路線の特典ビジネス・ファーストを取るためには、355日前の午前9時から急いで予約する必要がある」などの話しを旅行界隈のブログ等で見ることがあります。ハワイ行きは特に人気が高いようですが、それ以外の路線でもJAL/ANAの特典ビジネス・ファーストは、空きが少ない印象です。

これはJAL/ANAのマイルで発券可能な他の航空会社でもそうで、シンガポール航空やブリティッシュエアウェイズなども特典ファーストや特典ビジネスが空いている日は少ないです2

しかし、エミレーツ航空の特典ファーストは他の航空会社より取りやすいです!もちろん枠の限りがあるので毎日取れるというわけではありませんが、他社に比べると空きがある日が多いです。十分なマイルを持っていない状態でも、空きがあるかどうかの確認は可能なので、一度調べてみる価値はあります。ちなみに2023年時点で、ドバイ〜日本便のファーストクラスは片道1人あたり141,000マイル必要でした(加えて燃油サーチャージ分の支払いも必要)。

2024年3月下旬の時点で、2024年6月に特典ファーストの空きがいくつかある

なおこのように空きが多い理由として、個人的には以下が理由かと推測しています。

  • 航空会社アライアンスに加入していないため、他社のマイルでの発券が難しい
  • A380などファーストクラスの席数がそれなりに多い機材を多く運用している

マイル獲得はアメックスのポイント経由一択か

ファーストクラスの特典航空券発券のために、各種の陸マイラー活動でマイルを貯める人もいますが、JAL/ANAカードや各種ポイントサイト利用では、エミレーツ航空のマイルを貯めることはできません。エミレーツ航空はどの航空アライアンスにも加盟していないものの、JALのマイルで特典航空券の発見は可能らしいです。ただしJALマイルでの特典ファーストの発券は不可になったとのこと3

そのため、特典ファーストの発券には何らかの方法でエミレーツ航空のマイルを大量に得る必要があります。ただ、中東に出張しまくる人を除くと、141,000マイル(片道1人分)を飛行機の利用で貯めるのは現実的ではありません。

日本在住の人で現実的に可能なのは、アメックスのポイントをエミレーツ航空のマイルに交換することくらいかと思います。実際、私はアメックス(当時、アメックスグリーンを所有)のポイントをエミレーツ航空のマイルに変えることで、特典ファーストを発券しました。

141,000マイルを得るには、メンバーシップ・リワード・プラスに加入している場合には176,250ポイント必要です。もちろんこれだけのポイントを貯めるのは大変なのですが、アメックスの場合は簡単な条件4を満たせば、ポイントの有効期限が無期限になるという大きなメリットがあります。片道1人分であれば、(比較的高収入な方の)サラリーマン家庭であれば数年かければ片道1人分の必要なポイントを貯められなくもないです5。気になった方は試してみてください。

なお、アメックスのポイントからエミレーツ航空マイルに交換するには、交換前に移行先アカウントの登録が必要です。登録さえできればマイルへの交換は比較的短時間で可能なのですが、登録に結構時間がかかる(1〜2週間程度)ので、登録を待っていたら特典ファーストが埋まる可能性もあります。旅行の計画を立てる前に、アカウントの登録だけ先に済ませておくのをおすすめします。

エミレーツ航空ファーストクラスの感想

数年前、アメックスのポイントを使ってシンガポール航空スイートに乗ったことがあります。あれもA380機で快適でした。

今回も有償発券だと非常に高額(片道で100万円以上、往復割引でも200万円弱)するものに乗れたことになります。当時の感想に書いたような経済的な成功をしたわけではないのですが、数年でまた特典ファーストに乗るのは想定外でした。

次に特典ファーストに乗るとすればどこにしようか…ブリティッシュエアウェイズのコンコルドルームを目指すか、ルフトハンザ航空のファーストクラスターミナルを目指すか…。ただ、このような遊びもそろそろ終わりにしないといけないとも思っています。

今回のドバイ旅行中は全体的に体調が良くなかったため、ファーストクラスラウンジでも上述の写真にあるような最低限の量しか食べることができませんでした。旅行系ブロガーがファーストクラスに搭乗した際、ラウンジや機内で料理を何皿も食べている様子をアップしているのを見ますが、海外の食事は(日本人の感覚からすると)基本的に量が多めであることを考えると、あれを完食する人は相当な大食いだぞ(笑)。私はまだ30代ですが、健康って大事なんだなと思いました。

いつかは「#男は黙って有償ファースト」とTwitterに書き込めるような余裕を得られればとは思います。

  1. ただ、飛行中の飛行機ではタイムゾーンを跨ぐので、祈りの時間はどうやって決めているのだろう…。ファトワーか何かで定義されているのだろうか(なお宇宙滞在中の宇宙飛行士の場合は、非常に高速で移動しており向きと時間の定義が困難(祈りの最中にメッカの方角が変わるレベル)なため、制約を特別に緩くするためのファトワーが出された模様)
  2. なお最近は特典ファーストは自社マイルでないと開放されないようにする流れがあるので、JAL/ANAマイルでは取れないかもしれません
  3. もしかしたらカンタス航空マイルでの発券は可能かもしれませんが、未調査
  4. 一度でもポイントを何かに交換する、メンバーシップ・リワード・プラスに加入する
  5. さすがに往復分だったり家族の分も取るとなると難しいので、起業して事業経費をガンガン決済したり、インフルエンサーになって紹介でポイントを貯めるなどが必要かもしれません(私はできませんが)。

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