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ドルコスト平均法(定額購入)が定口購入よりも必ず良くなる理由

2021-01-18

無難な投資方法として、毎月(または毎日)一定額の投信などを買い続ける「ドルコスト平均法」(定額購入)が有名です。

しかし、「一定金額ではなく、一定口数を買い続けるのでも良いのではないか?」(定口購入)と思う人もいるかも知れません。

相場の変動が一切無いケースを除いて、一定金額買い続ける方が良い理由を記します。

ポイント

  • 相場がどんな動きをしても、定額購入の方が必ず良い結果になる(数学的に証明できる)
  • 逆に売却するときは定口売却の方が良い
投資関係で「必ず」と言われると大体怪しいのですが、これに関しては本当に「必ず」良い結果になります。

3種類の説明

感覚的な説明

多くの投資関係のネット記事では、大体次のようなことが書かれています。

「一定口数」買い続ける場合は、トータルの購入単価は買ったタイミングの金額の平均になる。

「一定金額」買い続けるのであれば、金額が高いときには少なく、金額が低いときには多く買うことになる。そのため、単純な平均よりは低い金額で買うことになる。

言われてみればそんな気がしますが、具体例が無いと分かりにくいという人も多いと思います。

数値例を用いた説明

例えばある投資信託を1月〜12月の1年間、毎月購入することを考えます。その投資信託の1口あたりの価格は次のように変動したとしましょう。

まず「毎月10,000円分ずつ購入」(定額購入)すると、購入単価は次のようになります。

次に、「毎月100口ずつ購入」(定口購入)すると、購入単価は次のようになります。

この例では確かに定額購入の方が、定口購入よりも単価が安くなりました。

ただ、「他の例では大小関係が逆になるんじゃないか?」という人もいるでしょう。

数学的な証明

疑り深い人や理系の人は、数値例でも納得しないでしょう。そこで、定額購入の方が良い理由を数学的に証明してみます。

投資に使う資金をA[円]、購入する回数をni回目の購入時の投資信託の価格を\{a_i\}[円/口]とします。また定口購入時に購入する口数をB[口]とします。

定額購入の場合、毎回A/n[円]ずつ購入するので、n回の購入で購入した口数の合計は\frac{A}{n}\left(\frac{1}{a_1} + \frac{1}{a_2} + \ldots + \frac{1}{a_n}\right) = \frac{A}{n}\sum_{i=1}^n{\frac{1}{a_i}}[口]。購入に使った費用は合計でA[円]。

定口購入の場合、毎回B[口]ずつをi回目の購入ではBa_i[円]で購入するので、n回の購入で購入した口数の合計はBn、購入に使った費用の合計はB(a_1 + a_2 + \ldots + a_n) = B\sum_{i=1}^n{a_i}。ここで、費用の合計がA[円]になるはずなので、B = \frac{A}{\sum_{i=1}^n{a_i}}が成り立ちます。

定額購入時の口数 - 定口購入時の口数

    \[= \frac{A}{n}\sum_{i=1}^n{\frac{1}{a_i}} - Bn = \frac{A}{n}\sum_{i=1}^n{\frac{1}{a_i}} - \frac{An}{\sum_{i=1}^n{a_i}} = A\left(\frac{1}{n}\sum_{i=1}^n{\frac{1}{a_i}} - \frac{1}{\frac{1}{n}\sum_{i=1}^n{a_i}} \right) \cdots \textcircled{\scriptsize 1}\]

ここで一般に算術平均\ge1/調和平均(参考)なので、

    \[\frac{1}{n}\sum_{i=1}^n{a_i} \ge \frac{1}{\frac{1}{n}\sum_{i=1}^n{\frac{1}{a_i}}} \Leftrightarrow \frac{1}{n}\sum_{i=1}^n{\frac{1}{a_i}} \ge \frac{1}{\frac{1}{n}\sum_{i=1}^n{a_i}}\]

だから\textcircled{\scriptsize 1} \ge 0となる。つまり、同じ資金Aで購入できた口数は、定額購入の方が定口購入のときよりも常に大きい(「価格変動が無い場合」のみ、定額購入でも定口購入でも購入できた口数が同じになるが、定額購入の方が口数が少なくなることはあり得ない)ので、定額購入の方が購入単価も小さくなる。

結局、どうするべきか?

投資信託等を買い続けるときは、必ず「定額」購入しましょう。差は僅かかもしれませんが、「定口」購入よりも単価が下がります。

逆に、積み立てた投信等を売るときは、上記とは逆に単価を上げたいと考えるため、「定口」で売却した方が良いことになります。

もっとも…十分な資金が有るなら、わざわざ分割して売買するのではなく、一括で買ったり売ったりする方が良いとは思います。

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