先日JGC修行が終わったばかりなのですが、JGC修行(JMBサファイアで入会できるもののこと。JGCプレミア狙いではない)を実際に行った中で見えたデメリットを記します。
JGCについて調べると、異様にJGC修行をおすすめしてくるページが多いですよね?これって本当にそうなのか?と。
飛行機に乗るのが年に2〜3回程度で国内線がメインの人であれば、やはりJGC修行は割に合わないと言えます。
このページの内容は1年頑張ればJGCを取れた2023年以前の時のことを書いています。ただ、2024年現在も1年頑張れば達成可能なSFC修行にも似たようなことは言えると思うので、参考のために残しておきます。
JGC修行のデメリット
以下の内容は、国内線のみを利用したFOP修行(クラスJだけでなく国内線ファーストクラスも複数回利用)を想定しています。回数修行や国際線利用の場合はまた話が変わります。
サクララウンジが残念に思えてくる
FOP修行をしていると、国内線ファーストクラスもたまに使うかと思います。国内線ファーストクラスの利用時には、サクララウンジよりも上位のダイヤモンド・プレミアラウンジを利用可能になり、サクララウンジよりも設備が豪華になり軽食なども提供されます。
ただ、これに慣れてしまうと通常のサクララウンジが見劣りしてしまうので、サクララウンジでは満足できなくなってしまいます。これだと平JGC修行を行う意味がありません…。
あと、空港にいつも時間ギリギリに到着しがちな人にとっては、そもそもラウンジを使う時間が無いと思います。
さらに言えば、羽田空港の場合はカードラウンジも保安検査通過後にあり、窓が大きく開放感もあって快適なので、短時間の滞在ならサクララウンジでなくても十分に思えます。
ダイヤモンド・プレミアラウンジにも飽きてくる
国内線ファーストクラスを複数回使うと、ダイヤモンド・プレミアラウンジですら飽きてきてしまいます。
ダイヤモンド・プレミアラウンジで提供される軽食は、空港によって少し違いはある(例えば那覇空港だと沖縄の会社が提供するパンや泡盛も提供される)ものの、基本的なメニューは同じですし、あくまでも軽食程度です。
せっかく国内を飛び回るのであれば、現地の名物を食べてみたくなりますが、ダイヤモンド・プレミアラウンジの軽食では現地のものを食べるという楽しみ方はできません。普通に空港内のレストランに行ったほうが各地の名物を食べることができます。
普通席が苦痛になる
FOP修行の場合は必然的にクラスJや国内線ファーストクラスの利用がメインとなります。結果的に普通席に乗る機会は減ります。
その場合、何らかの理由(クラスJ以上が取れなかった、自費修行ではなく出張で飛行機に乗るので会社の規程で普通席しか使えない、など)で久々に普通席に乗ると、クラスJ以上に慣れた体にとっては窮屈に感じます。
修行僧やマイラー界隈の方は忘れてしまった気持ちかもしれませんが、ほとんどの日本人にとって、飛行機に乗るだけでも特別なことであり楽しいものです。しかし普通席に乗るのが苦痛に感じるので、「飛行機に乗ること」の楽しみが大幅に減ります。
保安検査場が古い(羽田空港のみ)
2022年10月現在、羽田空港 JAL国内線の一般(JGCやファーストクラスではない方)の保安検査場には最新の検査用のマシンが導入されており、かばんからパソコン等を取り出さなくても保安検査に回すことができます。パソコンを持ち歩いている人にとっては楽ですし、多少は保安検査のスピードが上がっていると思います。
一方、少なくともファーストクラス向けの保安検査場は従来のマシンを使っているので、パソコン等をかばんから取り出す必要があります。
パソコンを持ち歩く人にとっては、どちらも空いているのであれば一般向けの保安検査場の方が便利に感じるケースもあります。
特典は実質的には一生は続かない上に膨大な時間と費用がかかる
以前から何度か触れている内容です。詳細はこちらのページをご覧ください。
また実際にかかった金額を計算したら40万円を超えました。FOP 2倍キャンペーン中にしてはお金をかけすぎた方ではありますが、FOP 2倍キャンペーン期間外だと当然もっとかかります。
国内線ファーストクラスに乗ればJGCの特典を凌駕する
JGC会員の特典である優先搭乗やラウンジ利用は、JGCにならなくても国内線ファーストクラスに乗ればより良いものを体験できます。
優先保安検査もJGC会員向けとは別に存在しますし、ラウンジはサクララウンジより上位のものを使えます。優先搭乗も平JGCよりは先です。
もちろん国内線ファーストクラスのチケットは高額ですが、日を選べば特便割引21も取れます(場合によっては、国内線ファーストクラスが普通席より安いという妙な現象も発生する)し、金券ショップで株主優待券を買って株主割引を使う手もあります。
何かの記念日などにたまーに使う程度であれば、JGC修行せずに国内線ファーストクラスのチケットを買うので十分です。
JGC修行後もお金がかかって仕方がない
一番わかりやすいのは、JGC維持のためのクレジットカード(CLUB-Aなど)の年会費がかかることです。
しかしそれ以上に…JGCを取ったからには飛行機を使うときにどうしてもJAL一択になってしまいがちですが、基本的にJALは高額です。行先によってはスターフライヤーやスカイマーク、ソラシドエア、エアードゥといったMCCが就航しています。これらは羽田発着の便もありますし座席も比較的快適なのにも関わらずJALより安いです。特に長距離路線でなければ不便さはあまり感じないでしょう。(なお座席だけ見るとスターフライヤーのほうがJALより快適なこともあります)
端的に言ってしまえば、JGC取得に伴いJAL便を好むようになる結果として生活レベルを上げてしまうので、長い目で見ると相当な無駄遣いになりかねません。年収1,000万円程度では無視できないレベルになります。
もっとも、出張が多いために修行無しで自然にJGCになったという方であれば、出張時の飛行機をJALに寄せたとしても費用は会社持ちなので関係ありませんが。
それでもJGC修行を行った方が良いケース
ここまででデメリットを書きましたが、逆に少々無理をしてでもJGC修行をする意味がありそうなケースも思いつきます。
混雑時間の利用が多い場合
羽田空港の一般向けの保安検査は便利にはなりましたが、混雑する時間帯や日だと大行列になると考えられます。
その場合は、JGC会員向けの保安検査場のほうが空いているはずなので、かばんからパソコン等を取り出す手間を考えても早く通過できるメリットの方が大きいでしょう。
特に、朝のピーク時に飛行機を利用する場合など、時間の余裕がない場合にはJGC会員向けの優先保安検査場のメリットが大きくなります。
羽田空港以外の空港を定期的に利用する場合
上述の新しい保安検査場のマシンは、今のところ羽田空港のみだと思います。その場合は単純に列が短いほうが良いと考えられるので、JGC会員向けの保安検査場の方が総合的に良いと考えられます。
羽田空港の国内線のカードラウンジは、カードラウンジにしては場所も設備も良いので、サクララウンジの優位性が少なくなります。しかし、それ以外の空港ではサクララウンジが明らかに優位です。
例えば那覇空港のカードラウンジは保安検査場通過前のエリアにありJAL側の保安検査場からは離れている上に、狭くて混雑しがちです。伊丹空港のカードラウンジも保安検査通過前の別のフロアにあります(あまり遠くはないですが)。また福岡空港のカードラウンジは保安検査通過後にあるものの、こちらも一般的な搭乗口からは距離がある場所に配置されているので少々不便です。
そのため、羽田空港以外をよく利用するのであれば、JGC会員が使えるサクララウンジの優位性が際立ちます。
国際線を定期的に利用する場合
国際線の利用時はJGC会員であることのメリットが大幅にアップします。
国内線でチェックインカウンターを利用する機会はまずないですが、国際線だとチェックインカウンターを利用する機会があるかもしれません。この場合はJGC会員だとビジネスクラスカウンターを使えるので、行列の長さが全然違います。
チェックイン後も、羽田空港では優先保安検査場を利用できます。どういうわけか羽田空港だとビジネスクラス利用時でも優先保安検査場を利用できない1にもかかわらず、JGC会員であれば利用できます。また国内線よりも一般向けの保安検査場が混雑しがちなので、優先保安検査場を利用できることのメリットは大きいです。
また国際線だと通常のサクララウンジでもそれなりの量の食事が提供されており、国内線ダイヤモンド・プレミアラウンジよりも良いものになっています。
世帯年収が1500万円〜3000万円の場合
上で書いたようにJGCを解脱してしまうとプライベートの旅行でもJAL便ばかりを選んでしまいがちになりますが、それにより長い目で見ると無駄遣いになります。住んでいる場所や家族構成などにもよりますが、年収1,000万円程度だとこの無駄遣いは地味に効いてきて、家計に影響が出かねません。
正直なところ、都心で暮らしていると世帯年収2,000万円でもあまり贅沢な暮らしはできません2が、少なくとも世帯収入が1,500万円くらいは無いとJALばかりに乗るのはお財布的に少々心もとないかと。
せっかく取ったJGCを心置きなく楽しむためには、修行用の資金を陸マイラー活動で貯める以前に、まずは何よりも年収アップを目指しましょう。というか、修行用の資金くらい貯金からさらっと出せる程度の経済力が無いと、JAL便に乗るのが苦しくなるので修行の意味がありません!なお年収アップの過程で、国内外への出張が多い部署や会社に移動できれば尚良し。
ただし年収が3,000万円を超えてくると、プライベートの旅行でも国際線ビジネスクラスを(マイルを使うのではなく)有償発券する気になるようです。また、それくらいの余裕があれば国内線ファーストクラスも躊躇なく乗れるようになるでしょう。
https://www.onecareer.jp/articles/2162
こうなるとJGCの意味が無くなってくる(特典が国際線ビジネスクラスや国内線ファーストクラス搭乗時とほぼ同じ)ので、あえて修行する必要性がなくなります。