旅行でイギリスのベルファストに行ったときに、「平和の壁」と呼ばれる分離壁があったので見てきました。
※実際に行ったのは2018年の秋です
ベルファストとは
ご存じの方も多いと思いますが、イギリスはイングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドで構成されています(サッカーのW杯も4つが別のチームとして出場しますね)。このうち北アイルランドの首府かつ最大の都市がベルファストです。
有名な豪華客船のタイタニック号を造った造船所があり、ベルファストの有名な観光スポットの1つになっています。
ベルファストへのアクセス
日本からの直行便はありません。日本からはロンドンのヒースロー空港を経由して行くのが最も手っ取り早いでしょう。
ベルファストの気候
緯度を見ると北海道よりも北にある上に、天気が悪いことが多いため、思った以上に寒いです。
中学の地理の授業で、「ヨーロッパは暖流である北大西洋海流と、それによって暖められた空気を運ぶ偏西風のおかげで暖かい」と習ったと思いますが、これはあくまでも【高緯度の割には】暖かいというだけです。東京と比べると明らかに気温が低く、秋でもコートが欲しいレベルで寒いです!ベルファストを訪れる場合は、事前に天気予報を見て服装を考えましょう。
平和の壁とは
北アイルランドをめぐってイギリスとアイルランドの間でかつて紛争が起きており、IRAなどによるテロが起きていた時代がありました。カトリック系住民とプロテスタント系住民との対立とも言えます。
歴史について細かくは触れませんが、対立が続いていた時代にカトリック系住民の居住区とプロテスタント系住民の居住区を分離するための壁ができました。これが「平和の壁」と呼ばれるものです。ベルリンの壁と違って、無理に越えると射殺されるという類のものではなく、争いを避けるために作られた防護壁のようなものらしいのですが…。実に皮肉を込めた名前だと思います。
以前と比べると解体されてきているようなのですが、現在も残っており、ベルファストの一種の観光スポットになっています。
ちなみに漫画『マスターキートン』の完全版の第4巻には、北アイルランド問題の話が出てきます。
平和の壁への行き方
一口に「平和の壁」と言っても、ベルファスト内に複数あります。また壁なので「メインとなる」場所はありません。強いて言うなら、本記事のアイキャッチ画像にある、壁を通るためのゲートを見るのが良いかと思います(基本的に開いているが、以前は夜や有事の際に閉じられたたらしい)。
Google Mapで「Belfast Peace Wall」と入力すると、場所が出てきます(下図の青い丸)。ただ、私が行った2018年秋や本記事執筆時点では、確かに壁がある場所を示すものの、ゲートとは異なる場所を示します。
下の地図で赤く囲った場所にゲートがあります。
行き方ですが、ベルファストの中心部にあるCity Hallからだと徒歩20分程度で行けます。City Hallから歩く場合、上図の右側から来ることになりますが、A501と書かれた道路沿いに歩くとガソリンスタンドが見えるので、大まかな目印になります。
また、このあたりに近づくと、明らかに政治的なメッセージが書かれた壁も出てきたりします。歩くのが面倒ならタクシーを使いましょう(バスも近くを通っていた気がしますが、調べておらず。なお電車の駅は近くにはありません)。
終わりに
そもそもベルファストに行く人が少ないと思いますが、その中でも「平和の壁」を見ようと思う人は珍しいと思います。
良くも悪くも歴史的な建造物であるため、もしベルファストに行く機会があって時間があれば、見に行くのも1つの案でしょう。
なおベルファストに行く際にはヒースロー空港を利用することになると思います。ヒースロー空港に関する記事もどうぞ。