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【ホテル修行】ホテル別 中〜上級会員の比較【どれを目指すべきか】

2020-01-19

国内外に展開しているホテルグループには有名なものでもいくつか種類があります。

これらのホテルグループには会員プログラムがあり、会員になり年間の宿泊回数を増やすと、会員ランクが上がって様々な特典を得られます。しかし、出張や旅行で年間でホテルに宿泊する回数は限られているので、会員ランクアップを狙うには特定のホテルグループに絞って宿泊回数を稼ぐのが現実的です。

そこで、どのグループの会員を目指すのが良いかを考えてみました。

ポイント

  • 海外によく行く人や国内で潤沢に予算がある人は、ヒルトンかマリオット。どちらか片方だけにするならヒルトンの方が待遇が良い。
  • 国内メインならOne Harmonyが敷居が低くて狙い目
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同じ特典でも、得るのに必要なランク(必要宿泊数)に意外と差があることが分かりました。

今回考える6つのホテルグループの会員プログラム

ホテルグループは数多くありますが、ここで扱うのは国内外に展開しているホテルグループのうち次の条件を満たすものにします。

  • 比較的高級とされるランクのホテルを含む
  • 複数のランクの会員制度があり、一定ランク以上でルームアップグレード特典が付く
  • 日本国内に複数件のホテルがある

具体的には、次の会員プログラムについて見ていきます。

  • Marriott Bonvoy(マリオット系列)…マリオット / リッツカールトン / ウェスティン等
  • Hilton Honors(ヒルトン系列)…ヒルトン / コンラッド等
  • World of Hyatt(ハイアット系列)…ハイアット / アンダーズ等
  • Accor Live Limitless(アコーホテル系列)…プルマン / メルキュール / イビス等
  • One Harmony(オークラ ニッコー系列)…ホテルオークラ / 日航ホテル / JALシティ等
  • IHGリワーズクラブ(インターコンチネンタル系列)…インターコンチネンタル / ANAクラウンプラザ / ホリデイ・イン等

特典を得るのに必要な会員ランク

いくつもの種類がある特典のうち、実際に欲しいと思う特典3つに絞って必要な会員ランクを調べてみました。

ルームアップグレード特典

部屋に空きがあれば、部屋が1段階アップグレードするというものです。なお、通常はせいぜいラウンジ入室可能なフロアへのアップグレードまでであり、スイートルームへのアップグレードにはより上位のランクになる必要があります。

会員プログラム会員ランク当該ランクになる条件
Marriott Bonvoyゴールドエリート年間25泊
Hilton Honorsゴールド年間40泊
World of Hyattエクスプローリスト年間30泊
Accor Live Limitlessゴールド年間30泊
One Harmonyロイヤル(年間5泊分まで)年間10泊
IHGリワーズクラブプラチナエリート年間40泊

これを見ると、One Harmonyは年間10泊でロイヤル会員になることができるので、敷居が比較的低いことが分かりました。ただしロイヤル会員の場合はスマホアプリ等でのデジタルバウチャーが必要で、入手可能なクーポンは年間5泊分だけです。6泊分以上のアップグレードを受けるためには、上位のエクスクルーシィヴ会員(年間30泊必要)になる必要があります。

なお個人的な印象ですが、マリオット系列のゴールド会員でのルームアップグレードは、せいぜい高層階へのアップグレードに留まることが多く、ラウンジ入室可能な部屋にアップグレードされることは少ないイメージです(ゴールド会員やプラチナ会員が多いためでしょうか…?)。

一方、ヒルトン系列は比較的気前よくアップグレードされるイメージがあり、ラウンジ入室可能なエグゼクティブルームにアップグレードされることも何度かありました。あくまでも個人的な印象ですが参考までに。

レイトチェックアウト特典

2022年4月現在、ヒルトン・オナーズ特典のレイトチェックアウトは、規約には今も書かれているものの特典の表から記載が無くなりました。あまり期待しすぎない方が良いのかもしれません。

通常は12時が多いチェックアウト時間を、部屋の空き状況次第で無料で延長できるというものです。何時まで延長できるかは空き状況や会員ランクによります。マリオットのゴールドエリートやIHG・ハイアットの場合14時まですが、One Harmonyはホテルによりバラツキがあり、他のグループは何時まで延長可能なのか明記されていませんでした。

会員プログラム会員ランク当該ランクになる条件
Marriott Bonvoyゴールドエリート(14時まで)年間25泊
Hilton Honorsメンバー0泊(会員登録のみで可)
World of Hyattディスカバリスト(14時まで)年間10泊
Accor Live Limitlessシルバー年間10泊
One Harmonyロイヤル年間10泊
IHGリワーズクラブクラブ(14時まで)10泊(会員登録のみで可)

意外なことに、Hilton HonorsとIHGでは会員登録するだけでレイトチェックアウトを受けることができます。これは圧倒的に敷居が低いので高評価です。

ラウンジ利用特典

アルコールを含むドリンクや軽食を自由に食べることができるラウンジへのアクセス権です。このラウンジの軽食で朝食代わりにできることも多いので、食事代を抑えることができます。ただ、食事代の節約もそうですが…3大欲求の1つである食欲をいつでも満たせるというのは気楽で贅沢なものです(睡眠欲も部屋で眠れば良いだけなので、ホテルで満たせないのは性欲だけか)。

会員プログラム会員ランク当該ランクになる条件
Marriott Bonvoyプラチナエリート年間50泊
Hilton Honorsダイヤモンド年間60泊
World of Hyattグローバリスト年間60泊
Accor Live Limitlessプラチナ年間60泊
One Harmony該当なし-
IHGリワーズクラブ該当なし-

さすがにコストに影響する上に、あまりラウンジに人が多く入るとクオリティが下がるので、上位のランクにならなければアクセス権の保証はありません。One HarmonyとIHGリワーズクラブについては最上位のものでもラウンジアクセス権はありません。

ただし、上記のルームアップグレード特典で、ラウンジに入れる部屋まではアップグレードされる可能性があるので、宿泊数を稼ぐか後述の方法でゴールド会員相当になれば、運が良ければラウンジに入れます。

個人的な経験では、ヒルトンはラウンジに入れる部屋にアップグレードされる可能性が比較的高め。マリオットはプラチナ以上の会員数が増えたためか、ゴールド会員だとアップグレードが難しかったり、ラウンジが混雑しているという情報をネット上で目にします。一方、ハイアットはグローバリストが少ないためかラウンジが快適らしく、ハイアットの根強いファンが一定数いるようです。

なおマリオット系列でもザ・リッツ・カールトンなど一部のブランドのホテルは、ラウンジ利用特典の対象外です。

無料の朝食

朝食が無料で付くというものです。ホテルの朝食は高いので、無料になるとかなりお得です。

会員プログラム会員ランク当該ランクになる条件
Marriott Bonvoyプラチナエリート
(ウェルカムギフトの選択肢の1つ)
年間50泊
Hilton Honorsゴールド年間40泊
World of Hyattグローバリスト
(クラブラウンジの利用または朝食)
年間60泊
Accor Live Limitlessプラチナ(アジア・太平洋地域のみ)年間60泊
One Harmony該当なし-
IHGリワーズクラブダイヤモンド年間70泊

こちらもコストに直結するので敷居が高いです。ただしHilton Honorsは後述の方法で簡単になれるゴールド会員で無料朝食が付くのでお得です。

ゴールド会員相当に宿泊無しでなる方法

通常は宿泊数を稼がないと会員ランクはアップしませんが、宿泊実績ゼロでゴールド会員相当になる方法が存在します。

クレジットカード発行

特定のクレジットカードを作成することで、無条件で(宿泊0泊でも)なることができます。宿泊回数で地道にランクを上げるのは、2ヶ月以上の出張でもない限り難しいので、仕事での長期出張が無い方はこちらのクレジットカードを作る方が手っ取り早いです。

  • Marriott Bonvoy…マリオットボンヴォイ・プレミアム・カードまたはアメックスのプラチナ・カード以上の所有でゴールドエリート会員
  • Hilton Honors…ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カードまたはアメックスのプラチナ・カード以上の所有でゴールド会員
  • Accor Live Limitless…ibisビジネスカードの所有でゴールド会員。
  • One Harmony…One Harmony VISAゴールド・カードの所有でロイヤル会員

JALマイルを交換(One Harmonyのみ)

One Harmonyのロイヤル会員は、1年間に10泊または5,000ポイント獲得でなることができます。実はJALのマイルをOne Harmonyポイントに交換することができ、10,000マイルを期間限定で6,000ポイントに交換することができます(通常は10,000マイルを4,500ポイントに交換)。期間限定ではありますが、割と頻繁にキャンペーンを行っているように思います。

https://www.jal.co.jp/jalmile/use/partner/oneharmony/

6,000ポイント獲得すればロイヤル会員になる条件を満たせるので、JALのマイルが余っており有効期限が切れそうな人は、検討してみてはいかがでしょうか。

ホテル会社の株式購入(Accor Live Limitlessのみ)

Accor Live Limitlessについてはアコーホテルズの株式購入+Shareholders' clubへの入会でも、最大で1年間ゴールド会員になれるようです。

アメックス・プラチナのファイン・ホテル・アンド・リゾート特典で代用

上述の通り、アメックスのプラチナ・カードを持っていると、ヒルトンとマリオットのゴールド会員に宿泊実績ゼロでなることができます。

それだけではなく、プラチナ・カード以上についてくるファイン・ホテル・アンド・リゾート特典を使えば、ルームアップグレードやレイトチェックアウトなど、会員になっていなくても実質的にゴールド〜プラチナ会員相当の特典を得られます

対象となるホテルは、国内外の指定された5つ星レベルのホテルであり、マリオットやヒルトンに限りません。この記事の趣旨とは異なりますが、プラチナ・カードを持っていれば、実質的にゴールド会員以上の恩恵を得ることができます。

どのホテルグループの上位会員になるのが良いか?

「平日は国内外の出張ばかりで高級ホテルを定宿にしています!」「夏はリゾート地の高級ホテルで毎年1ヶ月は過ごすんです!」というラグジュアリーな方々を除いて、ゴールドよりも上のプラチナ会員になるのは正直なところ現実的ではありません。1

そのため、上記のクレジットカード発行や年10泊程度の宿泊でゴールド会員になることを考えてみます。

海外出張が年に何度かある人の場合

アメックス・プラチナでMarriotto BonvoyとHilton Honorsのゴールド会員になっておけば、出張先にいずれかのグループのホテルが有る可能性が高く、メリットを受けやすいでしょう。

年会費を抑えたいなら、マリオットかヒルトンのどちらか片方に絞って、マリオットボンヴォイ・プレミアム・カードかヒルトン アメックスを作成するのが良いでしょう。個人的には、ゴールド会員で朝食無料になるヒルトン系列が狙い目だと思います。

ヨーロッパを中心に回るのなら、ibisビジネスカードを発行するのも1つの手です。

国内出張メインだがホテル代に1泊2万円以上使える人の場合

日本国内の外資系ホテルチェーンは、国内の他のホテルよりも明らかに宿泊費が高いので、普通のサラリーマンが国内出張で使うのはなかなか難しいと思います。

しかし、何らかの理由(上級管理職のため制限が緩い、利益率が高い業態なので潤沢に経費を使える、自分自身が社長である等)で旅費に余裕がある場合は、海外出張時と同じく、マリオットやヒルトンに泊まることを前提にアメックス・プラチナなどを持つのが良いでしょう。

ただし、日本国内でこれらのホテルがあるのは都会やリゾート地に限られるので、これらのホテルが無い地方への出張がメインの方は意味がありません。地方都市への出張が多い方は、中規模都市にもホテルがあるOne Harmonyがおすすめです。

国内出張メインでホテル代に1泊1万円〜2万円使える人の場合

モクシーなどリーズナブルなブランドのホテルを除いて、最低でも2万円はないとマリオットやヒルトンに泊まるのは難しいです。しかし、1万円ちょっとあればOne Harmonyの日航ホテルやJALシティ(+時期と地域によってはホテルオークラも)には泊まれると思います。

この場合は、One Harmony VISAゴールド・カードを作ってロイヤル会員になると様々な特典を受けることができます。年会費もそこまで高くない(本記事執筆時点で税込1.1万円)ので、何泊かすれば年会費分以上のメリットを得られるでしょう。JALマイルが中途半端に余っている方はマイルを交換してロイヤル会員になるのも一案です。

ロイヤル会員は年間10泊で条件を満たせるので、国内出張がそれなりにある人なら、クレジットカードを作らずに地道に宿泊実績を積んでロイヤル会員になるのも現実的に可能かと思います(私も経験あり)。このOne Harmony系列のホテルは、マリオットやヒルトンなどの外資系に比べて国内の各地にあるのも便利です。

なお、この予算レンジではIHGリワーズクラブのANAクラウンプラザなどにも泊まれます。しかしルームアップグレード特典を得るまでの道のりが長い(プラチナエリート 年間40泊)ので、旨みが少なく、個人的にはあまりオススメしません。

終わりに:奥が深いホテルグループ選び

ホテルの中級会員や上級会員と呼ばれるものでも、ホテルグループによって待遇に違いがあることが分かりました。ホテルを使う頻度や使える予算に応じて、場合によっては宿泊実績を積んだりある種のクレジットカードを作ったりして、ゴールド会員相当を目指してみてはいかがでしょうか。

なお、この記事ではゴールド会員相当を中心に見ていきましたが、日本のビジネスホテルチェーン(多くの人が実際に使うのはこちらのはず)も含めて無料の平会員について調べてみた記事もあるので、よければ読んでみてください。

また、今回の記事で取り上げたホテルの多くは、iPhoneのWalletにカードを追加することができます。詳細はこちらの記事を見てください。

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