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アメックス・プラチナの現実的な価値【サラリーマン目線】

2019-05-26

アメックス・プラチナは確かに多くの特典がありますが、年会費が高い(2019年11月時点で税込143,000円)です。

富裕層ならともかく、サラリーマンが高額な年会費を支払ってでも持つ価値があるのかを、現実的なシナリオでやや厳し目に考えてみます。

ポイント

  • サラリーマンで年会費の元を取るのは、なかなか難しい
  • だが見栄と自己満足、そして人生の幅を広げる点はプライスレス
  • なお、ファイン・ホテル・アンド・リゾート特典で豪華な海外旅行をするとモトを取りやすい
年会費の元を取ることよりも、人生を楽しむことを目的にした方が良いでしょう

実際に使いそうな特典と価値

私が実際に使った or 使いそうな特典(ファイン・ホテル・アンド・リゾーツを除く)と、その価値を書いていきます。

ホテルメンバーシップ

マリオットやヒルトンのゴールド会員に無条件でなれるというものです。ここで重要なのは、決済にアメックス・プラチナを使わなくてもゴールド会員の特典が利用可能という点です。

例えば出張で対象ホテルを使う場合、会社によっては専用のシステムでの予約やコーポレートカードでの決済が求められるなど、個人のアメックス・プラチナを利用できない場合があります。そのような場合でも、事前に電話等で伝えておけばゴールド会員としての特典が使えるので、使えるときは地味に意味があるように思います。

対象ホテルに年間2泊して1万円分の部屋のアップグレードを受けたとして、ざっくり2万円分のメリットかと。

フリー・ステイ・ギフト

2年目以降に対象ホテルでの宿泊が無料になるというものです。ただし安いランクの部屋だったり、朝食が付いていなかったり、土休日に使えなかったりすることがあるので、期待値をやや低めに考えたほうが良いでしょう。

対象ホテルの通常の値段や、利用機会の制限などを考えると、ざっくり1.5万円分のメリットかと。

空港ラウンジ(プライオリティ・パスを含む)

アメックス・プラチナやプライオリティ・パスで空港のカードラウンジを利用できるというものです。残念ながら、一番多く使うであろう羽田空港ではプライオリティ・パスが利用できないため、海外旅行や海外出張が少ない人にとってはメリットを享受できる機会が非常に限られてしまいます。またラウンジは確かに便利ですが、席に座って食事をするだけならレストランやカフェに入れば十分という考え方(他のカードだと同伴者は$32かかるが、カフェに入ればもっと安価)もあります。なおプライオリティパスではなく、アメックス・プラチナ以上のみで入場可能なセンチュリオンラウンジや一部の空港ラウンジはクオリティが高いので、それらのラウンジに入れるとラッキーです。

海外に行くのが年1〜2回で、海外の空港で2回利用したとして、合計0.5万円分のメリットかと。

2 for 1ダイニングby招待日和

対象レストランで1名分のコース料金が無料になるというものです(←ドリンクは別料金だったりするため、2人で使ったとしても単純に半額になるわけではないことに注意!)。これは1年ほど前に追加された特典で、ファイン・ダイニング特典よりも対象レストランが大幅に増えて使いやすくなりました。2名以上で予約する必要があるので1人では使えませんが、特別なデートや記念日などのディナーに年1回くらいは使えそうな機会があると思います。

1人1万円のコースを年1回使うとして、1万円分のメリットかと。

コンシェルジュ

よくコンシェルジュがすごいという記事は目にしますが、なかなか使いこなすのが難しいサービスでもあります。正直なところ、ホテルやレストランや旅行時のフライトを探すだけであれば、自分でインターネットで調べた方が早いです。

ただ、単純に調べる手間を丸投げできるのと、コンシェルジュが提示する案には少なくともハズレは無いという安心感は、個人的には大きなメリットだと考えています。年数回使って、0.5万円分のメリットかと。

海外利用ボーナスポイントプログラム

アメックス・プラチナの場合、メンバーシップ・リワード・プラスの年会費(税込3,240円)が無料になります。さらにアメックス・プラチナ以上の限定特典として、登録の手続きをしておけば外貨建て決済に付くポイントが3倍になります。仮に海外で10万円分の利用があったとすると、1,000ポイントではなく3,000ポイントとなり2,000ポイント分のメリットがあります。また、通常は1ポイント1円程度の価値になりますが、航空機のマイルに移行してビジネスクラスやファーストクラスのチケットに変えると、1マイルが数円の価値になると言われています。

ANA以外の場合は0.8倍になったりすることなども諸々考えて、ざっくり1万円分のメリットかと。

結局、どのくらいの価値か?

上記をすべて合わせると、2 + 1.5 + 0.5 + 1 + 0.5 + 1 = 6.5万円となり、年会費14.3万円の半分にも満たないという結果になりました…。やはりこのカードは、モトを取るという観点ではサラリーマンが使いこなすのはかなり難しいと言えます。

ただ、特に比較的高収入の男性にとっては見栄や自己満足という目に見えないメリットがあると思います。アメックス・プラチナは金属製のため、持っただけで違いが分かります。夜のお店だけではなく、薬局や普通のレストランやタクシーでの支払いで「珍しいカードですね」などと言われることが何度かありました。また同じく高収入の男性はプラチナ・カードの存在を知っているため、話のネタになります。さすがにセンチュリオンカードを持っている人は稀にしかいない(少なくとも私は見たことがない)ため、アメックス・プラチナを持っていれば、劣等感を感じることはないでしょう。

この見栄や自己満足のために、私は5万円なら出せます!…ってそれでも割に合わないという結果になってしまいましたが。

あとアメックス・プラチナを持つと、どうも高価なホテルに泊まってしまう傾向にあります。一言で言うとカードのせいで生活レベルを上げてしまったと言いますか…、以前は1泊1万円のホテルでも普通に過ごせましたが、今はマリオット系列やその他の有名ホテル(もちろんその分高い)を中心に探すようになってしまっています。その意識の変化を無駄遣いと捉えるか、人生の幅を広げると捉えるかで、プラスにもマイナスにも価値が変わります。1度きりの人生で、人生経験として試しにアメックス・プラチナを使ってみるという考え方もあると思います。

アメックス・プラチナをグリーンやゴールドにダウングレードするのはいつでも可能なので、興味が湧いた時にとりあえずアメックス・プラチナを試してみるのは良いかと思います。

ただし豪華な海外旅行を1回でも行うならメリットが大きい

そもそも私がアメックス・プラチナを持ったのは、豪華な海外旅行をする予定があったのでアメックスの威力を試してみたかったからでした。

その際、飛行機はエコノミークラスで節約する代わりに、現地の滞在を豪華にしようとして、実際にヨーロッパの5つ星ホテルにファイン・ホテル・アンド・リゾートを使って数泊したところ、予想以上の客室アップグレードやホテル内でのクレジットなどの特典を受けることができました。その他、エアポート送迎サービス(←普通に空港からの定額タクシーを手配するのに比べて明らかに安く、かつ車種が豪華)や、(はじめての国で地理が分からなかったので)諸々のチケットの手配を行ってもらったら、実はその海外旅行1回だけで特典の価値が年会費を超えました。

プライベートでお金をかけた海外旅行を行う予定があるのであれば、アメックス・プラチナのメリットを存分に享受できると思います。実際に使った時の記事はこちらです(ここに書いていないホテルでの利用もあり)。

また、(上記の旅行ではエコノミークラスを使いましたが)プレミアムエコノミークラス以上を使うのであれば、プラチナ・カード以上限定の「インターナショナル・エアライン・プログラム」特典で安くチケットを手に入れることができる場合があります。もしプレエコ以上を使うのであれば、こちらによってもメリットを得ることができます。

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